令和三年6月26日、6月最後の稽古会を行いました。この日は、遠征の合間を縫っての小林君との直伝稽古と成りました。写真は、小林君が紋付を新調した時の物です。馬子にも衣装・・・良く似合っています。彼が入門して8月で丸9年となります。良くぞ此処まで小生に喰らい付いてきたものです。9年の稽古は噓をつきません・・・もはやいっぱしの剣士と成って来ております。
一人遣いの様子を観ながらつくづくその様に感じ入りました。そのご褒美では有りませんが・・・手元の位置を得物による僅かに変えるその理を手向けました。目から鱗の様子でありました。
呼吸法を一つとし、坐礼を来ない基本稽古へと移行しました。幾度となく繰り返す木刀での打込みでこの日に使っている木刀もそろそろお役御免の様でありました…小太刀に姿を変える時期と成っておりました。打ち自体は確かに良く成って来ております。この後の課題は、打ち留められた時の手の内の僅かな力みで有りましょう。伝えておきました。
兵法では、前回同様に良き合撃を出しておりました。二の斬りも前回の反省を可成り活かしている気配は感じました。後僅かであります。しかしこの僅かが難しいと言えば・・・。精進あるのみです。
真剣を遣っての抜刀では、立合を数手伝授しました。これは、無論基本刀法の習熟度を観ての事であります。基本打込の際の課題が、抜刀の片手太刀に顔を覗かせておりました。剣技の全ては、基本有っての事であります。
最後は、梅雨真っ盛りの湿気の中での防具を着けての地稽古であります。
この日の地稽古では、師弟共々に記憶に残る小林君の小手打ちが出ました。(まいった)と思わず小生の口から発せられた事でありました。良き打撃音を発しておりました。数限りなく行っております基本打込の成果であります。無論その後は、何故にか小手でなく長身の小林君の面に立て続けに10数本の面打ちが炸裂する事となりましたが・・・これも良き小手打ちのご褒美のお返しであります。
10数センチの身長差がありながら、一見何の変哲もない面打ちに成す術も無く打たれ続ける・・・それも可成りの打撃力で・・・長身の彼が今後身に付ける道筋を与えました。
二人だけの濃密な5時間の共有でありました。共に良き時間を過ごす事ができました。
平生の道場での一か月余り振りの稽古再開の一日でありました。