広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

9月第二日曜日稽古会・・・齋藤君との直伝稽古

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9月12日

令和三年9月12日、先週に引き続き場をお借りしての稽古会を行いました。この日は、齋藤君との直伝稽古で有りました。もう二週間もすると長期航海勤務が始まります。時間を惜しむ様に先ずは、一人遣いに精を出す齋藤君でありました。この時期に成りますと流石に30度を遥かに超える気候は有りませんが、この日も遥か遠方の台風の影響でしょうか、空はどんよりと曇り、蒸し暑い一日で有りました。そろそろスキッと冴え渡った秋の空を拝みたい物であります。

廣川君と共に呼吸法を一つとし、坐礼を行い直伝稽古に入りました。木刀による基本打込の段階から少し細かく手直しを施しました。(実際には一人遣いの段階から・・・軸足の意識、遣い方)これまでも指導して来た事ですが、物、人に向かうと如何しても手首の折れ曲がる遣い方に成ります。気の持って行き方、集中のしどころを求めました。少しずつ感を掴みつつあります。最後あたりは、元立の木刀に打込む良き音を立てておりました。

兵法では、余人を交えぬ稽古でありますので、更に術理を深く細かく伝えました。形の中に抱合されている味わい深い術理を紐解き、一つ一つを心を込めて伝えました。後は、如何に自得するかです。自得こそが、剣の修業のだいご味で有り、喜びです。此処の喜びの余計なお世話は控えねばなりません。

真剣にての抜刀では、居合の一手を伝えました。何気ない所作事も立合で行うのと居合での其れとは、明らかに趣が違ってきます。足腰に負荷が掛かる事に苦しみながらも楽し気に励んでおりました。しかしこれも又孤立した物でなく、立合、兵法、地稽古に繋がる物であらねば成りません。悦に入った居合にだけに陥れば何の意味もありません。剣道の全てに影響しあう物であらねば稽古、修行とは言えません。

稽古の締めは、防具を着けての地稽古であります。先ずは基本打込から行いました。これまた直ぐに地稽古(立ち合い)を行う様では、稽古に成りません。僅かな時間でも基本打込をし、切り返しを行う。之を習慣づけるのが稽古です。この僅かな時間に気を集中し、無心に打込む稽古で、齋藤君の道着、防具のしたから湯気が立ち上っておりました。基本の打込は大変鋭く、強く成って来ております。今後が楽しみです。私から一本を取れる日も必ず来ると感じたこの日の地稽古で有りました。

直伝を終了したころ、小林君のレースの知らせが・・・又してもメカニックのトラブル・・・予選二位を台無しにする結果と成った様であります。これは、メカニックだけの責任ではなく、所詮はチームの気の緩みと感じました。前夜に燥いでいる様では・・・。

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