広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

1月最終日曜日稽古会・・・齋藤君の稽古始め、そして剣道特別稽古

佐藤君稽古始め

令和五年1月29日、1月最後の日曜日の稽古は齋藤君の稽古始めでありました。そしてこの稽古の後は、二か月余りの海上勤務に赴きます。そして途中から剣道七段挑戦者の為の特別稽古を挟む事となりました。

二時から途中、剣道の特別稽古を小一時間挟む事になりましたので、それまでに基本打込、兵法、抜刀を行う事としました。

今回は、二か月の海上勤務の前の最後の稽古でありますので、船上の一人稽古の為に摺足での振りを学ばせました。これは、次回の稽古の際から伝授を開始する剣道形の為でもあります。

無論入門当初の際に刀法を学ばせる際に行っていた事ではありますが、その後は主に踏込みで行わせておりましたのでおさらいの意味もあり、その違いを遣い分ける意味もあり、取組ませました。摺り足で振りながら踏込みでの剣の振りの威力を再現するように・・・。

兵法、真剣での抜刀と齋藤君にとっての遣い初めを行いました。昨年は彼にとりまして、宮島嚴島神社奉納演武の場に初めて立ち、正しく真の上達を体感した一年でありました。その余韻の延長を色濃く感じるこの日の遣い初めでありました。新たなる一年の更なる真の上達を予感させる稽古初めでありました。

ほゞ二時間が経過した頃、剣道七段挑戦者が出向いて参りました。ご家族がコロナに感染され、濃厚接触者となった為に長期の自宅待機を余儀なくされ、本日が彼に取りましても新年最初の稽古でありました。本年二月に急遽設定されました昇段試験を前に直前の稽古が出来ない焦りを抱えての本日の稽古でありました。

その様な七段挑戦者の心理を察して、あえてガツガツする事無く、心を一点に集中させる様に、剣道形一本と一分半の立合い二本のみの稽古としました。之は昇段試験の本番其の物の為であります。

本番の昇段試験に向けて、無心とはまでも行かなくとも夢中に成って遣い切る事を願っての稽古でありました。

剣道形、立合いと夢中に成って遣う七段挑戦者の様子に感心しきりの齋藤君でありました。彼にも良き影響を与えてくれた様で、今回の稽古は彼に取りまして良き見取り稽古と成った様であります。齋藤君に取りましては、直弟子以外の稽古を観る初めての体験でありました。

七段挑戦者を送り出し、齋藤君との防具を着けての締めの稽古を行いました。試験を控えた者と自身へと向けられる剣の激しさ、厳しさの違いに途方に暮れる彼でありました。稽古の後に直弟子と外弟子の扱いの違いを諭しておきました。直伝稽古の意味を再度伝えておきました。

日記