広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

六月第四日曜日 送出し稽古会

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五度目の送出し稽古会を行いました。昨日の稽古後の無礼講で少し散会が遅く成りましたので、本日は一時間遅く始める事としておりましたが新人さんが勇躍早めに乗り込んで参りました。小生も早めの入場となりました。他の者も支障の無い時間帯に出向いて参り、稽古を行う事が出来ました。すっかり平常を取り戻す頃には次なる戦いが始まる好美君に、皆それぞれの思いを込めての精進の場で有りました。皆確りと気を発し、心身ともに熱く熱く遣い合いました。


基本稽古から無論最初に、一本一本に思いのたけを込めて打込んで参りました。魔を祓い邪を祓う如く、清浄な気を込めてあらん限りの呼吸で打込んで参りました。流石に数本相懸けがおくれた小生で有りました。僅かに打ちこまれて仕舞いました。覚悟の威力でありました。有るが儘を受け入れ、結果に一喜一憂することなく現在只今のなす事を気を込めて成すだけと決定(けつじょう)した者の姿がそこに有りました。見事で有りました。


新人君にもユッタリとした一人遣いのままに、元立相手に振って貰いましたが、人を相手にすると自身の意としない発作を起こしたような叩きに成っておりました。自分の体を遣う事がこんなに難しいとは思っても無かった様で有ります。汗まみれに成りながら振り込んでおりました。それでも左足での打込みに僅かながら自然な働きが出ておりました。右手右足前と云うのが如何に不自然な姿勢であるかと云う事で有りましょう。


兵法は本日は本伝の太刀のみとしました。送出しにはやはりこれに限ると判断いたしました。呼吸法に気を凝らし、一本で息が上がる如く気を練るように遣い合いました。暫く遠のく稽古を慈しむように遣う好美君でありました。新人君には斬釘を遣って貰いました。体捌きを何度も行って貰いながら確りと手順を覚えて貰いました。流す汗の量ほどにしか悪癖は取り去る事は出来ません。正しさを求めて何処までも繰り返してゆくのみです。


最後に抜刀を皆で抜き合いました。新人君は無論見学して貰いました。少し意にそってくれなかった愛刀がやっと云う事をきいてくれるようになった好美君はゆく時間を惜しむように黙々と振っておりました。少しほおっておく時間が永いと刀は意に沿ってくれぬものであります。常に慈しむように振ってやらねば成りません。


最後の稽古をやり終え、皆の気を確りと受け取り、怯む事無く五回目の戦いに静かに出向いて参りました。一日も早く平生を取り戻し、一日も早い復帰を願っております。早く帰ってこい!