広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

六月最終稽古会

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六月最後の日曜稽古会を行いました。若いばかりで元気が表に発しない者達が出向いて参りました。早速玄関での挨拶で指摘される始末で有りました。本人は今日こそはと大きな声で挨拶したつもりで有った様ですが、小生には響いておりませんでした。然程に自身の感覚と廻りの感じ方は違うもので有ります。剣は所詮相手に響かねば物の役にはたちません。平素から自覚して全ての事柄にあたらねば身に付かぬと云う事で有ります。身に付くには何事も時間が懸かる様であります。これもまた致し方のない事であります。身に付くまで意識を強く持って取り組むしか道は有りません。


着替えを早々に済ませて、ユッタリと一人遣いに勤しむ二人で有りました。黙々と正面、順逆を繰り返す者、時に立ち止まり小首をかしげる者、其々に自身の確認するポイントは掴んでいるようで有りました。一人遣いでは可也伸びやかに木刀を遣えるように成っている二人で有りました。後は自然な背筋の伸びと後足の備えを身につける事でありましょう。其々の指摘の部分は判っていると思います。基本稽古に入るとはやはり一人遣いの時には出ていなかった問題点が顔を覗かせます。特に拍子の僅かな変化に二人とも対応出来ておりません。何時までも一本調子で打つ訳も有りません。確りとした対応力が求められます。


兵法に入りまして、三学は打ち合う程に毎回手応えが出て参りました。しかし先輩と比べてやはり張りがまだまだ感じられません。その点は二人には言葉として伝えました。所詮呼吸法の不足で有ります。遣い終わって余韻の残る気一杯の遣い方を求めていって貰います。まだまだ所作事に気が行き過ぎていますので根幹に関わる処の不足でも有ります。其処の処の充実感を少しでも感じる事が出来れば又面白味も倍加するはずです。その後九箇、中段と遣い合いました。必勝、逆風と太刀行きは可也良くなって参りました。只突きの気勢はまだまだで有りました。中段の隻手の太刀はいま少しの精密さを求めました。まだまだ竹刀が暴れておりました。


抜刀を皆で時間の許す限り抜き合いました。兵法に比べて時間は毎回短い物でありますが、確実に皆の心身に振った分だけの物が積み重なっております。愛刀との語らいが着実に行われている様で有りました。毎回僅かずつながら馴染んで来ている実感を感じる昨今で有ります。


いよいよ明日は退院の日であります。前回より増えた薬の為に可也苦しい入院であった様ですが、一日でも早く日常を取り戻し道場に帰ってきて欲しいものであります。言葉の少ない後輩達も首を長くして待っております。