広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

12月最初の稽古会

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12月6日・・・師走の声を聞くや否や、この日は朝から市内でも雪が舞っておりました。北広島町では80センチ以上の積雪とか・・・今シーズンは大雪の天候かもしれません。稽古に出向いて来る門弟達の心配をしながら少し早目の用意をして道場で待っておりました。案の定冬用タイヤに替えているのは廣川君のみで、小生も含めて若者二人もノーマルタイアで出向いて参りました。その為にこの日の稽古は、空模様を気にしながらの稽古会と成りました。一時間以上も高速を使って出向いて来ている者もありますので、雪が酷く成った時点で稽古を終了とするつもりで始めました。

先ずは少し感覚の空いた小林君が、皆に京都土産のお茶を手渡しておりました。今シーズンのほぼ全ての日程を終えて、東京からの帰りに京都で一旦下車して紅葉を見学してきた様であります。小生が勧めていた永観堂にも初めて立ち寄ったとの事でありました。記念の見事な紅葉の写真を見せて貰いました。

天候を気にしながらも、皆其々に自身の立ち位置で一人遣いに精を出しておりました。少し早目に切り上げて貰い、早速に基本の打込み稽古を行いました。振り被り、雷刀に取り上げる際に如何しても首が抜け気味になる永原君は、それを確りと認識しながら打込んで貰いました。一つ気にすると一つ抜けるでは有りませんが、今回は打ちその物が止め手に成る処が有りましたので其処も少し指摘しました。小林君は、絶対量が不足しておりますので、少し量を求めて打込んで貰いました貰いました。打込み不足は否めません。直ぐに露呈して参りましたが、構わずにドンドン進めました。最後は腕が棒の様に成っていた筈です。如何にシーズン中とは云え、常に毎日振っておく様にと申しつけておりましたが、怠けて居た事は明白です。プロレーサーとしての立居振舞も含めて、平生の有り方につきましてもお茶の時間も遣いながら皆で確りと甚振っておきました。若者はほっておくと直ぐに頭に乗りますから、油断できません。16万など有り得ません。分を弁えなさいと兄弟子がチクチクと弟弟子を弄っておりました。小気味良いと感じる皆で有りました。

彼の様な平生華やかな場にいる者にとりましては、特に確りとした物を自身の内に持っておらねば身を持ち崩します。彼もそれを何となく感じたから剣の世界に求めて飛ぶ込ん来た筈です。一般の者達よりはるかに世の中の目に晒されて居る訳ですから、武の世界で身に付けつつ有る立居振舞を確りと平生の自身に活かして欲しいと切に願っております。それにしても彼の先輩レーサーも含めて、レーシングスーツに身を包んでいるにも拘らず、如何してあの様なダラシナイ座り姿を人前に晒せるのか・・・呆れ果てております。戯け!
皆の有形無形の叱責が効いたのか、兵法では斬釘の付ける拍子において生涯初めての働きが出ました。そこからのカラリの捌きと云い、少しニヤリとした小生でありました。無論本人の心地よさは格別の物があったようです。得意のニヤニヤが、いつ果てる事無く続いておりました。今日だけは良しと致しました。

レーサーの世界の不作法さに言及しましたが、武の世界においても決してウカウカしてはおれません。年に数回出向きます演武においても、お膝元の宮島厳島神社演武でさへ、その立居振舞、服装は如何な物かと思える事が多々有ります。平生立入禁止の祓い殿での演武ですから、厳島神社に出向くにも威儀を正して、ネクタイ着用してスーツ、ブレザーに身を包んで出向くのが当然と考えますが、或る者はジーンズで或いはジャンパーで平気で厳島神社に出向いて来ます。甚だしいのは、Tシャツで祓い殿に入った戯けもおりました。演武する時は紋付を着用するから良いでしょうとも考えておるのでしょうが、何とも罰当たりで有ります。これなどは所詮武道とは云えません。礼を尊ぶ武道においてはあり得ない事であります。剣を振っておれば武道に成ると思っている輩を他山の石として、之からも当会では確りと教習を行いながら真の武道を求めて行くのみで有ります。