広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

七月第二日曜日稽古会

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平静27年7月12日、第二日曜稽古会を行いました。この日はシーズン真っ盛りで、海外も含めて転戦続きの小林君が出向いて参りました。近々のレースでは、優勝も臨める位置にいながらゴール直前で追い越しを掛けた車にぶつけられて着外に沈んだその心痛を口元の湿疹に現しておりました。苦悩する彼には、心に深い傷をおった時こそ確りとその瞬間の自身の心の遣り取りを検証するように申し付けました。結果に一喜一憂する事無く、自身の心の声に常に忠実であることを平素から心がける様に申し付けて稽古させておりますので、剣の修行とレースでの戦い方が一致するように願っております。事に臨んでは、(己を尽くす)、何事においてもこれ以外は有り得ません。之も又平素から己を信じる訓練を積まねば致し方ありません。
彼のモヤモヤを搾り出すように、何時もにまして打ち込み稽古を行わせた事は言うまでもありません。疲れ果てて、下がり気味になる両拳を叱責しながら、繰り返し繰り返し、何処までも続く打込み稽古を行いました。フラフラに成りながら流した汗は、彼にサッパリとした爽快感をもたらしたのでは無いでしょうか。打込み稽古を終えた彼の顔は、付き物が落ちた顔に成っておりました。決定は所詮、行でしか成し得ません。何かに悩み迷う時は、只夢中になって剣を振れば良いのです。其処から作為せぬ真の答えが湧き出て来るものです。

フラフラになった心身を調えている時に、15回目の戦いを数日後にひかえた廣川君が出向いてまいりました。駆けつけの一本は無論三学でありました。悩める後輩の目を覚ますような合擊が飛び出しました。合擊が良い手応えで有れば、当然に二の斬りも良き連動をみせます。この日は、茹だるような猛暑の中での稽古でありましたが、求められる侭に、仕込杖の中の小手縛りやら無刀の一手を阿吽の呼吸で遣い合いました。少しずつ極めの手応えを掴みつつ有ります。
興の乗ってきた処で、燕飛の所望があり、一人遣いでの細かい処の確認を行いました。
求め合う侭に行った稽古も何時しか5時を過ぎており、この日はテルミーの掛け合いは行えずに、歓談の場に移動いたしました。