広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

七月最初の日曜日稽古会

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平成27年7月5日、いよいよ盛夏の中での稽古が始まりました。無論、梅雨明けはまだですが、気持ちは正しく夏真っ盛りであります。宮島嚴島神社奉納演武を終えて一カ月、実行委員長として臨んだ大会での残心の業務をほぼ終えて、心に残った写真の一枚がこの写真で有ります。演武を終えて最後の礼を神様に終えた処で有ります。当会では平素から師の位にある小生が上座に位置する事は、ほぼ有りません。稽古の前後の礼法におきましても、門弟共々横一列に並んでの作法を行います。そして坐して黙想し、師の位に有る者の呼吸に精神を集中して呼吸法を行います。其処からの正面に対する礼に入る号令は有りません。小生の礼を感じて遅れずに礼を同時に行います。常にその様に指導しております。

しかるにこの写真の瞬間は、演武をやり終えた安ど感からか、見事に平素の作法を外れて、三人が共に遅れております。所謂残心を見事に失念にしております。有る者は年長者の隣の者の遅れに合わせ、有る者は自身の世界に浸り込んでおります。演武の終了は、礼法を終えて、退場した時で有ります。平生往生、所詮平素の礼法が身に付いていないと云う事で有ります。今後の稽古の良き指針で有ります。そう云えばこの日は入場の際にも阿呆な事をしでかした者が有りました・・・所詮師の位に有る者の徳の無さと反省いたします。

この日の稽古は、正会員に迎えた齋藤君の正式稽古の初日でも有りました。まだ剣道着袴は間に有っておりませんので、ジャージでの稽古の最後かもしれません。永原君も激務の間隙をぬって眠たい目での参加で有りました。姉弟子の到着前に確りと一人遣い及び基本稽古を行いました。永原君の順逆は相変わらず乱れ気味でありました。この日は特に力みがこもっておりました。之も又仕事の疲れからかも知れません。日々の出来事が剣に影響する・・・剣には全てが投影されます。
兵法は、三学、九箇、小転、下からと遣い合いました。特に姉弟子は三学、下からと続け遣いを行いました。無論これで力尽きておりましたが、良き合撃と二の斬りの感触に浸り込むようにご座の上で鎮座しておりました。
齋藤君には三学の伝授を進めました。不器用極まりないこの若者がどの様に変わって来るか・・・楽しみで有ります。
最後に抜刀を抜き合い、この日の稽古を終了としました。稽古後の歓談は、ボーナスのでた齋藤君が男気を見せてご馳走してくれました。彼も日が浅いながらも当会の習いに少しづつ染まって行くことで有りましょう。