令和六年6月16日、6月第三日曜日稽古会を行いました。この日は、当会の一大行事であります宮島嚴島神社奉納大会にも参加出来ず、次の週の北九州英信館70周年記念大会にも欠席と成りました小林君が少し申し訳なさそうに出向いて参りました。この日も夕方から県外に仕事の為に出向きますので平生の半分・・・三時間の稽古の為の参加でありました。
ガツガツせずに時間に応じて出来る稽古を確りと行うばかりであります。先ずは道場での一人遣いを確りと行わせる事としました。自宅のルーフデッキで行っている事は承知しておりますが、所詮師の見守りの中で行わねば真の稽古とは言えません。
案の定、本人は出来ていると思って振っている袈裟斬りの太刀筋が、歪な事に成っておりました。そう言えば先週の英信館70周年記念大会にゲストとして招かれていた佐賀の無外流と称する使い手も酷い袈裟斬りを恥ずかしげもなく我々の前で披露しておりました。あれ程は酷くはありませんが、小林君の其れも似たり寄ったりでありました。直伝を受けている者としては、看過できませんので仕方なく手本を示して正しました。本来根幹に成る太刀筋は、徹底的に伝えております。忙しさにかまけて明らかな稽古不足であります。判っているつもりは、所詮通用しません。
坐礼を行い、宮島嚴島神社大会と北九州英信館大会の記念品と土産を手渡しました。
先ずは木刀での打込みを受ける事としました。本人はそこそこの打込が出来ていると思っている様でしたが、我が手の内に残る感触は、僅かな力みを感じ取っておりました。行を持って身に付けるしか術はありません。
兵法では、初太刀の合撃に課題が出ておりました。所謂拍子の捉え方の至らなさであります。まだまだ目に頼りすぎです。感覚を敏にせねばなりません。その反省を九箇では活かせておりました。徐々に調子を上げる・・・レーサーの性が未だに払拭されていません。剣は・・・初太刀です。
剣道形では、少しずつ張る事を覚えて来ておりますが、本日は前回程でない張りでありました。出し惜しみをしていては役にはたちません。途中で絶え果てても張りつくさねば、本物は得られません。今回は摺り揚げ技をポイントを絞って伝授しました。新陰流の形の中には無い遣い方ですので彼には新鮮である様です。先ずは形で遣いこなし・・・何れは地稽古で遣えねば稽古と言えません。数限りなく打ち、身に付けるしかありません。
剣道形を終えた処で時間と成りこの日の稽古を終了しました。短いながらも充実した稽古でありました。