広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

10月、第三日曜日稽古会

令和五年10月15日、第三日曜日稽古会を行いました。先週に引き続き前半は、剣道特別稽古を行いその後、広島柳生会としての通常稽古を行いました。通常稽古には、二か月振りに海上勤務を終えた齋藤君が参加しました。

10月に入って急に気温の下がって来た広島でありますが、この日の日中は僅かに秋の気配に満ちた過ごしやすい一日でありました。前半の剣道形、地稽古で汗が全身からあふれ出しておりました。

剣道形では、特に小太刀の遣い方に課題が出ておりました。入り身からの(受け流し)において、恐怖心からか前で捌こうとして返って打たれる危険性が出ておりました。

刀中蔵・・・確りと小太刀の中に身を入れ、頭頂に小太刀を備えながら動きの中で受け流す・・・待ち受けに成る事無く、確りとした受け流しの動作・・・拍子に気を配り、流れの中で打太刀の太刀筋を制す・・・そこを指摘し、手本を示しました。

地稽古では、攻めが単調に成らぬ様に、攻めたつもりの押さえが出ぬ様に・・・剣先での遣り取りを確りと意識させました。打ちも、巷に溢れている逃げ打ちなどに決してならぬ様に、真の一本を目指す事を指摘しました。

二か月振りの稽古参加となった齋藤君は、何故にか少しフックラと成っておりました。艦上での一人稽古は欠かさなかった様ですが・・・さぞかし船の食事がよかったのでしょう。久々の床の感触を楽しむ様に先ずは一人遣いに精を出しておりました。その様子を観ておりますと・・・一人の剣士として確かに様に成って来ております・・・一人ニンマリする師の位でありました。

木刀での打込み稽古では、更なる上を目指すべく、左手の握りに今一つの柔らかさを求めました。確りと握り過ぎると得物はその振りに冴えを失います。真の強さは柔らかさの中にあります。

兵法、抜刀を遣い合いました。兵法では、相手の働きに連れ従う・・・これを再度意識させました。遅れても駄目、さりとて先に動くのは、更に駄目であります。形稽古が単なるカタチ練習・・・殺陣に成らぬ様に・・・真の上達を求めての師弟同行が続きます。

真剣での抜刀では、一刀両断、順逆の太刀筋の精度、冴えを求めて振り込ませました。所詮、剣はこの三つの太刀筋に尽きます。自身の愛刀と語り合いながら、全身から汗が噴き出す齋藤君でありました。

日記