広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

12月最初の日曜日稽古会

令和四年12月4日、12月最初の日曜日稽古会を行いました。この日は、小林君が出向いて参りました。スーパーGTのシーズンを終えても年内は忙しい日々を過ごしているとの事で久しぶりの稽古参加でありました。

少し稽古に飢えた様子で、先ずは一人遣いに精をだしておりました。観るとはなしに観ておりました。振り自体は良い振りと成って来ております。斬る太刀は、守る太刀の教えを良く理解して来ております。後は打突における腰の入れでありましょうが、それは打込み稽古の際に実践させる事としその場では言葉を懸けませんでした。

正面に向かい坐礼を行い、その際に剣道形用の木刀を手渡しました。いよいよ日本剣道形の伝授も正式に開始します。新陰流とは少し遣い方が異なりますが、遣いこなして貰います。各々が相乗効果を発揮する事を願っております。所詮剣は一つであります。

木刀での打込み稽古では、一人遣いの際に感じた腰の入り、入れ方を少し言葉を添えて指摘し、実践させました。二足一刀の打ちも又然り、幾つかの実際の遣い方の手本を示し、実践させました。打間を今少し遠く取る事も厳命しました。自身の限界を思い込む事の無いようにチャレンジさせました。

本伝の太刀を遣い合いました。初太刀の合撃は見事でありました。打込みの成果が此処に出て来ております。くねり打の更なる理解と実践を求めました。その遣り取りは、地稽古の中ででも遣えます。形稽古を形だけで終わらせぬ事を再度厳命しました。地稽古で遣えねば真の形に非ずで有ります。

その後、いよいよ剣道形の伝授を行いました。先ずは仕太刀の太刀七本の伝授を行いました。新陰流との違いを先ずは説明し、その術理を伝えました。構えと手順を覚えて貰います。僅かに違う新陰流との構えの違いに戸惑っておりました。そして常に木刀で行う事ににも・・・木刀も新陰流の物より太く、重い・・・それも又遣いこなして貰います。

真剣で抜刀を抜き合い、防具を着けての地稽古へと移行しました。

久々の彼に取っての地稽古でありましたが、基本打込の成果が此処でも出て来ておりました。地稽古に入る前の打込では特に小手打ちが確りとして来ておりました。平素正しい稽古をしてきている証であります。後は地稽古で如何にそれを活かすかであります。自身の持っている物を遣いこなす・・・これが地稽古の醍醐味であります。打つか打たれるかのギリギリの精神状態で己を尽くす・・・正念相続の場であります。自身の持っている物を活かし切る・・・しかしこれが実際には大変に難しい・・・自分自身を知る事の難しさであります。しかし避けては通れぬ道であります。師弟同行で求めて行くばかりであります。

打たれてその技を告げられ・・・形の様に打ち取られ・・・道場の四隅に何時の間にか追い詰められ・・・冷えた道場で汗だくだくの小林君でありました。精魂を尽くした稽古終了でありました。

日記