令和二年8月2日、やっと明けた梅雨・・・暑中稽古の始まりの日でありました。予想の通り、今年の暑さは昨年以上の様でありました。剣道着、袴に着替えるだけで汗が滴ってきました。
そんな中で、一人遣いで更に大量の汗を掻きながら木刀を振る永原君でありました。心身を清浄にする尊い汗でありました。
この日は、稽古前に新調した打込み用の木刀を手渡しました。小林君からの内祝い…とでもしておきます。打込み様の少し太めの物であります。新陰流正式木刀で行ってきた打込み稽古で、各人の木刀も可成り削れてきておりまいしたので、新たに新調しました。
新しい木刀での初めての打込で有りましたが、最初から心地よい打込音を響かせておりました。
ジッとしていても汗の滴る中、本伝の太刀を遣い合いました。心なしか暑さに負け気味の永原君に言葉にても喝を入れておきました。形ばかりの取り繕いは、剣の修行足り得ません。燃えるような気の充実を・・・もっと気を燃やすことを命じました。取り澄ました様な形稽古は、稽古にあらず。剣の稽古足り得ずであります。
小休止を入れ、汗を拭い、一服の冷茶で喉を潤し、真剣にての抜刀へと移行致しました。最初はこれ又太刀筋を乱し、心地よい羽音のは程遠い状態でありましたが、叱咤激励の中、心地よい一振りにて終える事が出来ました。
稽古の締めは、無論地稽古であります。防具に身を包み、必死に竹刀を振る永原君でありました。只形を作るのみでは相手のある事です・・・たちまちに打込まれ、攻めの効かない状態で打ってゆけば、迎え撃たれ・・・何をしても打開できない状態・・・それでも真の剣を求めて奮闘する永原君でありました。彼我共に納得の一本が炸裂した処で本日の稽古終了と致しました。
汗だくだくの中にも、心地良い清涼感を共有する師弟でありました。真の師弟にしか共有出来ない一時であり、心地よい余韻でありました。