広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

12月第二日曜日稽古会・・・剣道特別稽古

令和四年12月11日、この日は剣道七段挑戦者の為の剣道特別稽古を行いました。先週は、思わぬ歯の治療の為にドクターストップがかかり、見合わせる事と成りましたが、この日は無事に出向いて参りました。可成り痛みの伴う切開を施された様であります。

この日の稽古は、日本剣道形に特化した稽古会としました。平生はその日一本しか打たない剣道形をこの日だけ特別に二本打つ事としました。

太刀七本、小太刀本を先ずは、呼吸法に気を配り気を張り遣い切りました。

先ずは一本遣い切った後の検証を行いました。初太刀の立ち位置が一本目を終えて元に戻っている筈が可成り位置が前後にズレておりました。先ずはその事の認識を求め、精密な体の移動、運びを求めました。大きく三歩進み、小さく五歩下がり、元の位置に戻る・・・ただこれだけの事が中々難しい。求めて行かねば会得出来ません・・・求めて行って貰います。

六本目の摺り揚げ小手・・・剣道形では、横に捌きながら摺り揚げるとなっておりますが・・・ややもすると摺り揚げる前に横に捌いて仕舞います。捌きながら打つ・・・この意識を求めました。避けては相手の打ちが追ってきます・・・。打たせてそれを摺り揚げる気迫を求めました。

小太刀の入り身・・・これが地稽古では攻めに繋がります・・・出頭を捉える術理となります。形で修行し、身に付け、地稽古に活かせるように申し付けました。初めて言葉によっても導かれ、嬉々として取り組んでおりました。

そして最後にほゞ全ての遣い手が大した事では無いと意識さえしていない、構えを解く所作に言及しました。打太刀の解きに全く合っていない・・・勝手に自分勝手に解いている・・・。構えを解くとは、息を抜き、気を抜く事にあらずと伝えました。この所作にも呼吸法をひとつとして合わせる事を命じました。構えを解く時こそ、気は倍加させねば成りません。その指摘に驚きながらも、その意を理解し取組む七段挑戦者でありました。

その後の特別に打ち合った二本目は・・・言うまでも無く気持ちの籠った、合気の充実した一本と成りました。

打ち終えた仕太刀の額に汗が光っておりました。

日記