広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

10月第五週土曜日稽古会・・・剣道特別稽古会

令和四年10月29日、10月最後の土曜日稽古会を行いました。この日は、ほゞ一カ月ぶりの剣道七段挑戦者の為の剣道特別稽古会でありました。他県への遠征やら地域行事の為に少し間隔が空いてしまいました。

直伝稽古を待ちわびていた七段挑戦者が勇んで出向いて参りました。痛めていた膝の具合も少しずつ回復している様でありました。

先ずは剣修行の主であります形稽古(日本剣道形)から行いました。遣り返しの利かない真剣勝負の一本で有ります。現在只今の彼我一体となった魂のぶつかり合いを求めて夢中に成って遣い合いました。形稽古はその日の稽古ではそれ一本だけ・・・何度も繰り返すなど許されません。しかしその日の反省は確り時間を懸けて行います。そして次の日の稽古に備えます。

太刀一本・・・今回は仕太刀が観てしまい、結果的には打太刀が太刀筋を廃れさせて危険を回避させる事となりました。間に接して見ては駄目です。あく迄も観るでなけねば成りません。

二本目の抜きも不充分・・・体捌きが間に合っておりませんでした。

六本目の摺り揚げ小手は、良い出来でありました。木刀が心地よい摺揚げの音を発し、打太刀の木刀がスカーンと気持ちよく落ちておりました。見事でありました。

小太刀の入り身・・・其の気勢を身に付ける・・・これが大切です。これが身に付かねば小太刀の技は成り立ちません。そしてこの気勢が地稽古に活きてきます。形が地稽古に活かせねば形を稽古する意味がありません。

形稽古の後は防具を着けての基本打込そして地稽古を行いました。大人に成ると打込み稽古が不足する・・・あるいは行わない・・・それでは地稽古が良く成る筈も有りません。確りと共に打込みを繰り返しました。少し前にはこれだけで汗だくだくとなっておりましたが・・・随分と寒くなって来たものであります。

最後の地稽古は試験を想定して短い時間で決する稽古を行いました。短い時間でも場の片隅に何時の間にか追い詰められ、攻め崩され打ち取られ・・・打開しようと前に出れば起こりを捉えられ・・・しかし果敢に奮闘する受験者でありました。

日記