広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

五月第三週送出し稽古会

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五月第三週土日稽古会を行いました。日曜日は次の日からの第四クールを控えている好美君の送出し稽古会となりました。少し準備が残っているとの事でしたので開始時間を平生より一時間遅くしましたが、案の定本人が一番遅い到着となりました。理由は前回同様の案件で有りました。今日の為に村山さんの奥様も駆けつけてくれました。村山さんが旅立たれて一年余りがたってしまいましたが、病が発覚して旅立つまで必ずお二人で出向いて来た道場を大変懐かしがっておられました。好美君の到着を待つ間にこれもまたご主人が稽古に出向いて来られていた時と同様に当時を懐かしむように道場の掃除に勤しんで頂きました。その様子を眺めていると村山さんとの稽古の日々が思い出されて目頭が熱くなるのを禁じ得ませんでした。同じ病いに成ってしまった好美君の事を心配して入院中の病院にも足を運んで頂き、何かと彼女を気遣ってくれております。剣のご縁とはいえ彼女も心強い事で有りましょうし、有難い事であります。30分遅れで真打が駆けつけて参りました。全員が揃った処で一服の御茶を供しながら挨拶をする事としました。礼法の前に御茶・・・・・これもまた好しで有ります。


村山さんの激励を得て、先輩の気は弥が上にも高まり、平生に倍する打込みを繰り出して参りました。正面、順逆と間に区切りは入れはしましたが気一杯の打ちに精根の限りを尽くしておりました。正しく闘病に向けて良き気入れと成りました。若者達も汗の量だけは負けじと流しておりましたが、その内容や気の勢いは比ぶべきも有りませんでした。覚悟の違いであります。この後の彼らにとっての良き御手本に成る事でありましょう。


兵法における送出しは無論三学以外には有り得ません。合撃、二の斬り、位攻め、文の斬り、迎えと各人各様の課題に気を込めて遣い合いました。宮島演武に初めて出場する永原君の三学に感心しきりの先輩でありました。彼には良き激励に成りましたでしょう。その後八勢、九箇を若者達に遣って貰い、とりは勿論先輩の燕飛で有ります。皆の前で立派に遣い切りました。村山さんの奥様も初めて見る太刀に感心しておられました。見学を終えられて(楽しかったです)との言葉を残され、道場を後にされましたが、その眼に映っていたのはおそらくご主人の稽古姿で有ったでしょう。皆で玄関での御見送りをしながら、その後ろ姿に村山さんを姿がダブって見えて仕方有りませんでした。村山さんの稽古姿をしる好美君も又同様で有りましたでしょう。一門の皆同様に村山さん御夫婦にも送出されて、好美君が第四クールの戦いに、負ける事の出来ない戦に凛として出向いて参りました。確りと戦い抜き、宮島の演武の場にも立ってくれると信じております。