広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

六月第四日曜日稽古会

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六月の稽古会も第四週に入りました。梅雨の最中でありますので、天候はハッキリしない日が続き、床の状態も常に湿気を帯びた状態であります。演武が終わり、しばらく素足で稽古を行っておりましたが、この日は暫く振りに足袋を身に付ける事としました。湿気を帯びている床では、時に足袋を履いて摺足の感覚を呼び覚ますのも大切であります。本日の稽古開始は好美君の漢検受験に合わせて、平素より一時間余り遅くに始めました。本人は数ヶ月に及ぶ試験勉強を遣り終えて、後顧の憂いなく稽古に臨むつもりで有ったようですが、これも又副作用による物でありましょうか・・・道場に到着する頃には精根尽き果てた状態で有りました。とうとうこの日は勢法を望んでくる事は有りませんでした。しかし鏡を相手に慣れぬスカート姿で気配を消して、一人静かに木刀を振っておりました。
 
基本稽古の打込みは永原君に取りましては、第二段階に入る物でありました。これまでの大きくユッタリと遣う処から、次なる速さ鋭さに移行する体捌きを求めました。これまで行ってきたユッタリとした正しさから、今まで身に付けた体捌きに鋭さを加えて参ります。蒸し暑い道場で今まで以上に大汗を流しながら、速さに対応できずに体を揺らしながら懸命に竹刀を振っておりました。時を経て熟成してくれば体の揺れもまた無くなって参ります。その時を弛まぬ稽古を経て待つのみであります。今までの稽古を信じて挑むのみであります。
 
勢法は三学、九箇、小転を遣い合いました。踏込みはそれなりに激しく踏込んでおりますが、やはり体の出が今少し不足でありました。強く踏むことに気が行き過ぎて、肝心の体を運ぶと言う事が疎かに成っておりました。彼我共に遣い合う勢法において独り善がりは許されません。九箇の村雲では太刀筋を乱して、反対に合擊で打ち取られておりました。打たれて覚えるということでは、あながち悪くは有りません。合擊で勝つ事が出来ると実感として判った事でありましょう。小転はまだまだ小太刀を身体全体で遣うと言う処が未熟であります。少し小太刀の打込みが必要かもしれません。早速次回の稽古から行わせましょう。そうなると今数本の小太刀の制作が急がれます。また夜なべが増えそうで有ります。それも又楽しであります。
 
最後に抜刀を抜き合い、本日の稽古を終了としました。稽古後の歓談は尾道浪漫珈琲で行いました。前回演武前の稽古に野原君が出向いて来た時以来であります。ちょうどその時にスーパーGT第3戦で小林君が優勝したとの一報が入り、皆でコーヒーで祝杯?をあげた事に話が弾みました。その時の稽古も次の週の演武も副作用の苦しみで参加できなかった好美君はここぞとばかりに鬱憤を晴らすようにハシャギまくっておりました。