広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

六月第三日曜日稽古会

六月第三週土日稽古会を行ないました。演武後の稽古会ですので、演武を行った者にとりましてはその余韻を噛み締めながらの稽古となります。昨日の稽古に参加しました小林君は、本日は車の練習の為休みと成りましたが、その分昨日は確りと直伝稽古で良き汗を流しておりました。木刀での打込みを行ない、呼吸法も存分に堪能して、遣いきる達成感そこからの感激を思い出していた様であります。本日のレースの為の練習もその余韻を持ってこなしていると思います。
 
演武者であります永原君は先週の演武の余韻を持って乗込んで参りました。全体稽古の前の一人遣いでもその充実振りが覗われました。場を踏むごとにある種の自身が自然に身に付いて参ります。無論演武は確りとした稽古を積み重ねて臨むというのが大前提であります。間に合せの様な事ではその場もその後の修行にも何の役にもたちません。その様子を観ながら、次なる段階を求める事としました。基本の打込み稽古では、踏込みはある種確りして来ましたが、その場に満足せぬように今少しの体の運びを求めました。体を確り運んで踏込むと言う処の大前提が少し疎かに成っておりました。試合勢法も次なる段階に進むように、返し流しのさらなる捌きを求めました。今後は無駄な体のブレを正して参ります。
 
基本稽古が終了して一服している時に、廣川君が駆け付けて参りました。入院前日の稽古からおよそ一ヶ月での復帰と成りました。久しぶりの道場の空気を体一杯に満たしながら、心地よさげに暫したたずんでおりました。先ずは駆けつけ一本・・・ユガケをするのも忘れて三学を所望して参りました。ユガケを着けておりませんのでやや大拍子で、然し気一杯で一ヶ月振りの一本を遣い合いました。摺足で打込む二の斬りは、思いのほか鋭く、少々驚く打太刀でありました。合擊もブランクを感じさせない物でありました。これならば先週の演武も・・・・・と残念さが今更ながらに湧いてまいりました。先輩に負けじと演武者も踏込みに気を込めて打込んで参りました。
次に九箇を遣い合いました。永原君は今回の演武でこの勢法に自信を得た様であります。確かに位が一段上がっておりました。与えられた機会を確りと物にしたようで有りました。有り難い事であります。清水先生に感謝であります。廣川君も負けじと一日の長を見せつけておりました。大拍子で遣い合う村雲の合擊が心地良い音を発しておりました。
 
本伝の太刀を気一杯で遣い有ったところで、先輩の体が悲鳴をあげました。背中が痛いと騒ぎたてはじめました。ただユッタリと遣えば良いものをどうしてもピシリと鋭く遣うものですから、体が悲鳴をあげるのも当然で有ります。一ヶ月も満足に体を遣って無かったのですから。そこからは当然のごとく・・・恨めしげに後輩の稽古を見取り稽古するしか有りませんでした。・・・
その後小転を遣い合い、最後に抜刀を抜き合いました。いつの間にか真剣を持ち出して鏡に向かって抜く者が・・・・・。
 
やっと全員が稽古に出て来れるように成った事が何より嬉しい一日でありました。今少しすれば真夏の太陽が照りつける日々が参ります。今年も暑い熱い稽古を一日でのも多く行いたいと願っております。
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