広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

12月第二日曜日稽古会・・・防具手渡しの儀。

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廣川君、心待ちの防具(甲手)

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永原、齋藤君の防具一式・・・廣川君と共に。

令和元年12月8日、日曜日稽古会を行いました。この日は、数日前に届いた防具の手渡しの儀でもありました。生前、この日を心待ちにしておりました廣川君に先ずは捧げました。あの満面の笑みを浮かべ、はしゃぐ好美君の声が道場に響き渡っておりました。彼女にとりまして病が発覚し果たす事の出来なかった防具を着けての稽古の始まりの日であります。防具を着けて基本稽古、地稽古を行うまで防具を正面にすえての稽古会でありました。

当会に取りまして主は、無論新陰流の形稽古であります。先ずはこの日も基本打込みから、少し寒さの緩んだ中で確りと皆良き汗を流しておりました。この基本打込みこそが、形と地稽古を一つの物とする根幹の稽古であります。

兵法に移行し、本伝太刀を気一杯で一つとして遣い合いました。実りの秋を終えた昨今、弟子達の少し遅い実りの時期が訪れている様でありました。

 

形稽古を終え、いよいよ防具の手渡しの儀へと移行致しました。二人の名前が刺繍された防具袋、竹刀入れを手渡し、中の防具の確認をさせ、面及び胴に紐を付けさせました。その段階で最早手が藍に染まっておりました。

面に少しの形を付ける事を教えましたが、此れも直ぐには付きません。稽古を重ねる内に自身の形が付いてきます。

全てを身に着けさせ、いよいよ防具を着けての稽古の始まりです。無論、基本打込みからであります。素面で行う其れよりも遥かに負荷が懸かる事を実感した三人で有りました。息を切らせながら必死に打込んで来ておりました。

そして最後に地稽古を行いました。少し経験のある二であります。小細工を仕掛ける愚か者も有りました、眼鏡を着けていないせいにする不届き者もありましたが、一本取る事の難しさが身に染みた様で有ります。成す術もなく打ち取られながら・・・打たれて覚える修業の始まりであります。形稽古と地稽古を一つとする真の修業の始まりで有ります。

日記