令和三年12月4日、12月最初の土曜日稽古会を行いました。この日は、二か月振りに海上勤務から戻ってきました齋藤君が元気に出向いて参りました。共に参加予定の小林君は、数日前の発熱によりこの日は養生させる事とし休ませました。今回の勤務では体調の変化も無かった様であります。道場に入るやいなや、着替える時間ももどかしそうに手早く剣道着袴に着替えて、久々の道場の床の感触を楽しんでおりました。艦上での一人稽古が伺える遣いっぷりをみせておりました。腕操作は大変良くなっておりました。その分、体の運びは不充分で有りました。早速に手直しを施しました。その大きな体躯を確りと運ぶ足捌き、体捌きが必要であります。剣においてその場打ちはあり得ません。正しい、確りとした体の運びによる打ち、斬りが求められます。足腰刀の連動で有ります。先ずは、体の運びであります。地稽古に通ずる真の剣捌きを求めました。
坐礼を行い、木刀での基本打込を行いました。体の運びを意識はしている様で有りましたが、出を意識するあまりに方向性が少し曖昧と成っておりました。真っ直ぐに体を運ぶ事を求めました。何度も何度も道場を往復しながらの打込で、真冬の様相を呈していた道場内の冷気を身に纏いながらも体中から湯気が立ち昇っておりました。
兵法では、来年の27回宮島嚴島神社奉納演武で遣う本伝の太刀を気を張り、気を込め師弟同行で遣い合いました。着実な進歩を見せておりました。この形は、生涯を通して求め続けて行く形であります。魂を磨き合う様に遣い合って参ります。
制剛流抜刀においては、母刀を先ずは抜き合いました。此処でも根本を求めての師弟同行であります。その後は、全ての基本刀法の更なる上達を求めて振り抜いて貰いました。時として良き刃音が出ておりました。之も何処までも求めて行って貰います。
稽古の締めは、防具を着けての地稽古であります。無論、此処でも基本打込から行いました。攻められ、制せられ、打込まれ・・・何をしても通じない中で・・・それでも何かを求めて、心身に汗をかき、竹刀を振るう齋藤君でありました。少しずつ身に付けつつある基本の打込が、地稽古においても威力を発揮する日が必ずきます。それを信じて弟子達の奮闘が続きます。