広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

2月最初の土曜日稽古会

令和五年2月4日、2月最初の土曜日稽古会を行いました。新年を迎えて、スーパーGTシーズン前にもかかわらず忙しく各地を飛び回っている小林君が稽古に飢えた様子で出向いて参りました。

直伝稽古前の一人遣いに精を出す様子を観ながら、気に成った処を少し指摘し、再認識を求めました。構えの段階から左手の備えに僅かながら力みと歪みを感じました。少し稽古の間隔が空いた事に依る意気込みが、僅かな入れ込み過ぎによる力みと成って、手の内に影響を及ぼした様でありました。

真の鋭さは、手の内は勿論、身体を柔らかく備え、遣う事でしか体現出来ない事を再認識させました。力みを取り去るには、正しい数多くの素振り、打込みを重ねるしか術はありません。知った事を身に付ける行を数限りなく積み重ねるしか術はありません。

軸足の足首の様子は、いまだ違和感が残っている様子・・・シーズン前最初のテスト走行を来週に控えての状況ですので、今回も摺足での稽古に終始させました。

平生は踏込み中心の稽古に精進させておりますので、摺り足で行う稽古でも踏込みで培った体捌きを活かす様に命じました。所詮は足腰刀の連動以外にはあり得ません。踏込みでこそ強く意識できる身体の連動を摺足でも活かせるように厳命しました。

坐礼を行い、木刀での基本打込を行いました。摺足で行う打込みでは、最初はやはり力みが手の内に残り、手を痺れさせておりました。僅かな力みが締めでは無く、握り込みと成った所以であります。踏込みでは出ない力みが、体捌きの楽な摺足では出て仕舞う・・・剣の難しさであります。力の正しい連動を求めて、少し多めの打込みを繰り返しました。ピタッと打ち合わせる木刀が吸い付くような打ちが出た処で打込み終了としました。

兵法は行わずに、剣道形太刀七本を遣い合いました。これは無論、踏込みは遣わずに摺足での稽古の為であります。兵法を摺足で行う事は可能でありますが、思わず何時もの様に踏込みを行って仕舞い、足首の不具合を増大させないためであります。

木刀で行う形稽古の中の、摺り込み突き及びその応じ、萎やす・・・刀の反りと鎬を遣った技法に興味心身の小林君でありました。直刀の蟇肌竹刀では得られない感触、技法を楽しんでおりました。

本日の稽古の締めは、防具を着けての地稽古は、行わずに、真剣での抜刀としました。足首の回復が待たれます。

立合を抜き合いました。特に当流で抜打ちの原型として伝えられている直刀では、両手太刀とへと変化する事も求めました。直伝英信流で抜打として伝えられている技法で有ります。片手太刀から両手太刀に変化する事に四苦八苦の小林君でありました。砕きは兵法の常であります。どの様な変化にも対応出来ねば物の役にはたちません。

足首への負担を考慮しての稽古でありましたが、良き一日でありました。次週には踏込み、地稽古が出来る事を願っております。

日記