令和四年12月17日、第三土曜日稽古会を行いました。今日は前回足首捻挫の為に稽古を断念した小林君と岡山出張中の齋藤君が出向いて参りました。小林君の捻挫は未だ完治に至っておりませんでした。一人遣いの段階から踏込みはせずに摺り足で行う事と命じました。
その傍で出張先から稽古に通う事が可能か懸念されていた齋藤君ですが、何とか調整がついて可能と成り、最近とみに確りしてきた踏込みからの鋭い打込みの感触を楽しむ様に何度も打込みを繰り返しておりました。
正面い向かい坐礼を行い、先ずは木刀による打込みを行いました。無論小林君には摺足での打込みをさせました。
丁度剣道形の伝授を始めた処ですのでこれは之で幸いでありました。踏込みを遣わぬ足腰刀の連動を求めました。踏込みが無い分、打ちの鋭さ、強さを出す事に腕力を遣う事無く、足の力を腰を通して腕に伝え、締めにて冴えを出す事を命じました。摺足で行う事で踏込みの重要性を再確認した様で有ります。
齋藤君の打込は、踏込みを確り・・・その後の体の運びを真っ直ぐ・・・どうしても右寄りと成って仕舞う自身と確認しながら、真摯に取り組んでおりました。足に気が行けば、手の備えが疎かに成る・・・少し握りに力みが出ておりました。
兵法に移り、齋藤君には本伝の太刀を、小林君には剣道形を遣って貰う事としました。齋藤君の斜太刀の際の軸(人中路)の歪みは、多くの者の課題の一つでありますが・・・今少しの修練が求められます。一人遣いではほゞ習得している事が人相手には歪んでしまう・・・剣の難しい処ではります。しかし人相手に遣えねば本当の剣とは言えません。求めて行くばかりであります。
小林君の剣道形は太刀七本の手順を覚える段階でありますが、稽古毎に打ち合う形の中で手順だけでなく、その中に伝えられている術理を少しずつ感じ、理解し、確りと師との呼吸法を共有し、少しずつ地稽古にも活かして欲しいと願っております。
地稽古に活きてこぬ形は形に非ず・・・であります。
未だ捻挫の完治してない小林君は此処で稽古終了とさせ、子供の面倒を観させるために道場を後にさせました。
その後、真剣による抜刀、地稽古を行いました。真剣による基本刀法の振り込みを時間の許すまで行い、刃音を頼りに愛刀との会話を楽しみました。
防具を着けての地稽古では、真正面に打つ事を命じました。どうしても最初から自身の右、相手の左を抜けようとして打って仕舞います。船の穂先の教えの実践を求めました。基本の打ち自体は、確りとして来ております。其処は自信を持って良い処です。後は元立相手に如何に勇気をもって繰り出すか・・・更なる師弟同行が続きます。