広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

2月博多定例稽古会

2月博多定例稽古会を昨日の広島での稽古会に引続き行いました。先月は大雪の中の九州行でありましたが今回は将に春の陽気でありました。一時からの予約で有りましたが珍しく前半の使用が在りませんでしたので30分開始時間を繰り上げ早めの開始としました。


土居君要望の基本稽古におきましては前回兵法にて気に成っておりました点を開始早々指摘する事となりました。その打込みはまるで地稽古にて相手を無視した手前勝手名な一本を取りに来る様な打ちになっており、自身の打ちそのものを正し、確りとした打ちを元立ちと彼我一体となり身に付ける基本稽古の本分を逸脱した物でありました。まるで一人稽古の延長の如き様相を呈しておりました。基本稽古には元立ちが居るのです。基本稽古と懸かり稽古(打込み稽古)をどうも混同していたようで有ります。その点は確りと認識を即しました。


これは無論形稽古にも言えます。形稽古は約束稽古です。その決められた攻めの遣り取りから体捌きを伴なった正しい刀法による遣り取り、所謂斬り合いで有ります。阿吽の呼吸が食い違えば技が違った物に成ってしまいます。先人が残した英知を学ぶ者にとっては習いの段階ではあってはなりません。


これらの指摘が心に響いたようでその後の特に剣道形におきましては確りとした呼吸法を伴なった、今までで一番心残る良き手応えの形で有りました。毎回一本勝負の様な気持ちでこの様な形が打てれば着実な上達は間違いのなき処で有りましょう。


良き余韻を残し博多での稽古を終了する事が出来ました。今回の稽古が必ず地稽古に活かせる物と期待し博多を後にしました。