広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

五月土曜稽古会最終日

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五月土曜稽古会の最終稽古を行いました。五月も明日で終了し、いよいよ梅雨の時期が近づいてきました。サラッとした天候とは暫くお別れです。心地良い大気を惜しみながらの稽古会となりました。


基本稽古では毎回の積み重ねにより何がしかの手応え、課題を得て着実に成果をあげつつある者、毎回同じ指摘を受けながらその指摘を受けるまで自身の課題を忘れている者・・・・・同じ時期に始めてもその取組みにより可也の開きが出来つつある現状であります。毎回一つで良いので手応えを掴みつつある良い処、強く意識し正すべき処を必ず持ち帰る意識が必要でありましょう。基本稽古は繰返し稽古でありますがマンネリ稽古では有りません。積重ねて行き必ず成果を手にすると言う気力が大切です。正しい手本をイメージし求めて行く、積重ねてその高みに登って行く強い気力を持ち続けて欲しいものです。自身が着実に上達している喜びなくしてはこの道は歩み続ける事は出来ません。真の喜びは自得に勝るものはありません。常に自身の感覚を新鮮に保ち日々の稽古において一つずつの喜びと苦しみを持ち帰って欲しいものです。


兵法におきましては暫く良き手応えを見せておりました合撃が此処に来て何やら迷路に迷いこんだようで有ります。これは新陰流の極意と言われているものですから本来遣いこなすなど出来るはずも無い物です。他流の似たものに(切り落とし)が有りますが、この流派では(切り落とし)を会得すればその場で免許皆伝になるやに聞き及んでおります。その様なおおよそ出来るはずも無い物に新陰流では初学から取組ませております。出来るはずの無い物に初学からそれなりの手応えを味合わせるべく打太刀の力量にて導いて参ります。少し感覚を掴んだら打太刀の打ちが少しづつ厳しくなって行く事は当り前の事です。その様な意味で最早自分は出来ると思うなど有り得ません。常に謙虚にまだ有るまだ有ると生涯かけて求めてゆくものです。形稽古は剣舞であってはなりません。常に今後も真実を求めて謙虚にまだある高みに登り続ける気力を持ち続けて下さい。


兵法は三学(とりあげ)、八勢、中段、下段、九箇(とりあげ)を各人の進捗状況に応じて遣い合いました。やはり合撃に迷いがでますと次の打ちに影響を引きずる傾向がありますがそこは何とか踏ん切りをつけ現在ただ今に徹して欲しいものです。抜刀は概して納刀が良くなってきたと感じました。納める事に自身が付くと斬りも其れなりに良くなってくるようです。面白いものであります。明日は五月の最終稽古会です。