広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

七月最後の日曜稽古会

昨日に引き続き七月最後の日曜稽古会を行いました。同様に大雨洪水警報が出ており稽古中は激しい雨が降り注いでおりました。昨日の真剣での稽古におきましては竹刀で行う場合とは違う疲労感を見せる者がおりましたが、やはり気の一点に尽きると考えます。竹刀で行う稽古に較べて気を発すると言う事が不足していた為にある種気を刀に取られてしまったと言う事であります。やはり稽古におきましてはしっかり気を発せねばなりません。発すれば必ず気を貰えるのです。稽古はまず気を発し結果的に気を貰う様にならねば駄目です。まずしっかり気を発する様に努力下さい。


今回はまずは竹刀での打込み稽古から行いました。右太刀、左太刀ともに正面、順逆、相懸け返し流しを道場の端から端までを何度も往復し繰り返し行いました。やはり下がるときの工夫でしょう。如何しても小さくなります。そして真っ直ぐ体を運ぶ気遣いです。左へ左へと運んでしまいます。少しずつ精度を上げて参りましょう。打ち留めは斬り合うと言う感覚が少しずつ理解出来て来た様で有ります。拍子なき位からの打ちに拍子を見つける工夫です。


兵法に移り、とりあげ、八勢、中段、九箇(とりあげ)、そして下からの一人遣いの代授を完了しました。三学のとりあげの遣い始めは最後の合撃にまた少々のズレが出ましたが最後には気の揺らぎのない気持ち良い形を打つ事が出来ました。下からの代授完了を祝うような余韻の残る記憶に残る一本であったと思います。個々の形に置ける課題は詰ってきておりますので今後はポイントをしぼり気を込めた稽古を行うのみです。


体験稽古からほぼ一年4ヶ月、当初の印象からは今日有る事は到底想像だに出来ませんでした。正しく継続は力なりです。当道場に出向いてくる様になった経緯が経緯だけに避けがたい縁を感じざるを得ません。それまでの二年の一見無駄或いはマイナスと思える出来事も今日の為とも思える気が致します。今後も剣の真髄に少しでも近づく事が出来る様に、剣舞に堕する事なき稽古を課して参ります。時に至れば自由な打ち合いと言う事は避けては通れませんので地稽古も勿論行います。事理一致、形稽古と地稽古は剣の修行の両輪です。自身の剣が現在只今リアリティーを持ち続ける事が出来ると言う修行を行わねば剣は廃れてしまいます。現在も之からも生き続ける剣を求め精進あるのみです。