広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

新年最初の日曜稽古会

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昨日に続き日曜稽古会を行いました。本日は朝から雲が広がり昨日とは違い気温の低い一日で有りました。少し遅れる者が有りましたので全体の礼の前に一人稽古はそこそこに基本打込みを行いました。冷蔵庫の中の様な道場で有りましたが身体が温まるには然程の時間は懸かりませんでした。しかし年末から新年に懸けての稽古不足は否めず誰かさんの息の上がる事の何と早いことか。一息入れる感覚が早いものですから折角温まった身体も直ぐに冷えてしまいました。何とか叱咤激励しながら打込みを繰り返し行っている内に島田氏も到着しましたので全体の礼を行い通常の稽古を再開致しました。


島田さんに今年初めての基本稽古を行って貰いました。昨年からの自身の課題を其れなりに取り組んできた様子は感じることが出来ました。しかしながらまず相手に正対した時の体軸の傾きは勿論正されてはおりません。まず動く前の静体を鏡を相手に徹底的に正さねば成りません。時間が幾ら懸かるかもしれませんが諦めずに求めて行かねばなりません。そして次にはそれを動きの中で求めて行く作業が有りますが今は正しい無形の位、其処からの雷刀中段の位の正しさを求めて行かねば成りません。次に打ちその物についてでありますが一本打ってからの次次と続く打ちが徐々に強く成るところが問題です。初打の拍子が続かずチグハグと変わってきます。調子が悪い方向に出て所謂我打ちと成ってしまいます。強く打ってやろうと言う我欲に負けて正しい拍子を見失う傾向が有ります。正しい事を何度も何時までも続ける気配りが大切です。強く打ちたいと思って打つそれには手首を必要以上に使ったり握り締めたりと言う悪癖が此処彼処に顔を覗かせ下達の稽古に成り下がっております。打込みは自身の我欲悪癖を取り去る物で無ければ成りません。もっと謙虚に真摯に取り組まねば成りません。そして良くない時にはユッタリと遣う様に申してもそうは遣えずそぐわない意味の無い速さで遣ってしまいます。自身のまったくコントロール出来ていません。独り善がりの悪癖を今一度しっかり認識ししっかり自身を制する事を身に付ける努力を行って欲しいと思います。


兵法は三学、九箇(とりあげ)下から、八勢、大転変13勢法を遣い合いました。昨日の痺れる様な良き出来を今一度味わいたいと思う御仁が約一名有り、意欲満々で遣っておりましたが最後の最後にその欲が剣先の僅かなプルプルと言う納まりのブレとして現れておりました。全体の遣い方は前日を彷彿させる物が有りましたが僅かな欲がやや無心さを欠く事になり二の斬りの納まりに僅かなブレとなり現れておりました。今後の修行の良き反省となったのではないでしょうか。何処までも真の集中(無心)(無欲)で求めて行かねば成りません。神様では有りませんので一度出来たら何度でも出来ると思うのは早計です。出来なかったからと言えガッカリする事は有りませんしするべきでも有りません。次を求めて行くばかりです。


最後に抜刀を抜き合いました。少しずつでは有りますが納刀も様になってきました。しかし左手の遣い方が今一つです。とくに受け指が今だ力みがあり開いてしまっております。出来ないで済ましていては上達は有りません。出来ない事を出来る様に成るようにするのが稽古です。言い逃れをせずにしっかり取り組んで貰います。


2日間の良き稽古始めでありました。来週は博多の稽古始めであります。今年も弛まず精進して参りましょう。日常の雑事に負けずしっかり修行あるのみです。