広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

五月第四週土日稽古会二日目

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昨日に続き日曜稽古会を行いました。本日は昼前から酷い雨の一日で有りました。お陰で気温は幾分低めでは有りましたが、湿度の高さから来る床の湿りは足捌きに少々難でありました。昨日は一人稽古の段階で呼吸法についての叱責をする羽目に成り、可也の時間を使ってしまう事となってしまいました。本日はさて如何相成る事かと案じておりましたが流石に叱責された点には気を配っている様子で安堵しておりましたら、座礼の段階で又しても独り善がりな無神経な礼をするに至り、本日も叱責をする羽目に成って仕舞いました。一つの事に気が行くと他の事が全くお留守になってしまう愚鈍の者とは理解しておりますが平素より最も大切であると厳命している礼法の乱れは流石に看過できません。昨日に勝る怒りを発してしまいました。なぜ師の位に有る小生が上座に座らず皆と一緒の位置に座りその規範を示しいるかは最初の段階から口を酸っぱくして説いているにも関わらず、余りに無神経な気の遣り様に心底怒りを覚えました。武道と言うものをうわっ滑りに認識してしまっているなれの果てで有ります。この御仁は一度死んで生まれ変わらねば如何しようも無い様で有ります。良い意味での生まれ変わりを期待して懸かり稽古での尽きる稽古を課す事としました。連続打込みに類する稽古でこの日の湿気を含んだ床で案の定、足の皮を破ってしまった様でありますが、かまわず続けさせました。このだれてしまった性根を生まれ変わらせるにはこの様な稽古を課するしかないで有りましょう。此処は心を鬼にし、成果が現れるまで続ける覚悟です。自分自身を粗末にし、誤魔化し、言い訳をする性癖がなくなるまで根競べで有ります。


二部稽古はやはり一時間余りと成りましたが、昨日同様此方は本日も良き手応えが有りました。長短一味の合撃、十太刀の二の斬りはピタリと決まり、水も漏らさぬ手の内で有りました。明らかに一つの上達と言って良いものであると思います。しかしここからが何時もの課題でありますが、一つ良い物が出るとそれが何時も出ないと満足しないと言う性癖があり、全体の流れを阻害する要因なってしまう問題点を抱えております。一つ満足できない事があると後々まで尾を引きずってしまうのです。この点は前後裁断で引きずらぬ工夫をせねば成りません。人のやる事に完璧は有り得ぬのですから。


大雨の降りしきる中、土日連続稽古を終えました。宮島の演武に向けて少々がっかりする事の多い二日間で有りましたが、又他の者の良き手応えが救いの二日間でも有りました。此処に来て焦っても致し方ありませんので導きにその場につれ従うばかりであります。