広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

五月最終土日稽古会

イメージ 1

五月最後の土日稽古会を行いました。本日は月末をひかえそれぞれに公務が忙しく一部の面々は欠席となりました。二部の者も何とか時間を遣り繰りしての参加でしたが,一時間余りの稽古時間を確保するのがやっとの状態で駆けつけて参りました。しかしこの御仁はこの様な状況を良く認識しており,今週も火曜日に僅かな時間でも稽古を求めて出向いて来ておりました。稽古は一度に長時間おこなうより例え短い稽古でも回数多く行うのが理想です。そう言う意味ではある種理想的な稽古であると考えます。


今回は時間の余裕も有りませんでしたので即座に兵法を行うことにしました。三学,九箇(とりあげ)三学(したから)を一組とし時間の許す限り遣い合いました。流石にここ二ヶ月近く休日返上の公私にわたる疲労の蓄積は隠しようが無く,消え入りそうな気を何とか奮い立たせての稽古で有りました。火曜日の出来が良かっただけに本日のそれは本人も演武を控え意気消沈を覚えるもので有った事でありましょう。しかし体が言う事を効かない時こそ気を持って奮い立たせ補うしかありません。体が思うに任せないときこそ呼吸法に専念し気を燃やすのです。打太刀より少しずつ気をおくり自身の気の喚起を即しました。本人も之では遺憾と演武に向けての責任感も混じり気が充実してきはじめ,最後の下からは火曜日の出来に匹敵する手応えが出ました。本人も充実感と安堵の表情を浮かべておりました。今回の稽古は疲れきっていて身体が思うように遣えない時にでも気を張る事によって平生と変わらず遣える事の良き検証に成ったと思います。例え身体が不自由でも気も不自由であるとと言う事は無いのです。反対に気がしっかり張っていれば少々の身体の不自由は補ってくれるのです。そればかりか身体が元気なとき以上の現象が現れる事さえ有るのです。今回の稽古は師の位にある小生に取りましても示唆にとんだ良き稽古で有ったと思います。