広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

九月最初の稽古会

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九月最初の稽古会を行いました。この土日は学校行事の為,五月の道場が使用できない事となり,急遽この日を島田氏に押さえてもらいました大竹の剣道場にての稽古会となりました。大阪から野原君が稽古に出向いてきたおりにも使用した道場であります。この残暑と言うには足りないような猛暑の中の稽古会でありますので,参加会員はおそらくニンマリしたで有りましょう冷房完備の道場で有ります。道場に入りますと窓を閉め切ったその室内はまるで蒸し風呂状態で有りましたので,早速島田氏が4台有ります冷房機のスイッチをいれ急速冷房の状態にしておりました。この様な状態で有りましたので着替えを済ませた頃の道場内は一足早い秋の様な状態になっておりましたので抜刀は後にまわし,基本稽古及び兵法をしっかり行う事としました。


柔道場と併設の道場で半分は畳が敷いて有りますので,通常は五月の道場よりは狭くなっております。その為基本稽古は道場の対角線を遣って行いました。この猛暑の季節に入りまして基本稽古は少々手加減気味で有りましたので,本日は本来の状態に戻す心積りで始めました。しかし弱音の表情の出る事の何と早い事か。確かに冷房の効いている道場内では有りましたが汗はしっかり流しているようで有りましたので,少し長め位でよしとしました。この猛暑の数ヶ月で体力気力が少し落ちているので有りましょうが情けない事でも有ります。技術的には各人自身の課題をかなり認識して取り組んではおります。真っ直ぐ体を運びそして自身の人中路を振ろうとはしております。しかし其処のところでまだまだ苦労しております。特に踏込みとの連動において,踏込み足に重心が懸かってしまい筋違いになってしまったり,斜打ちに成ったりとしております。しかし苦労は時期が来れば必ず克服出来ると信じております。返し流しが疲れてくると小さく成ってくる事もいまだ解消されておりません。大きく行うと言う事は正しくと言う事が含まれております。護摩かしたり省略して如何しますか。性根のない事であります。自分に負けているのです。自身に克つしか有りません。


兵法はまずは全員で三学(とりあげ)八勢を遣い合いました。場の違いも有るのでしょうが今回は皆合撃が今一で有りました。本来あまり遣るべきでは有りませんが,その部分だけを少し良い手応えが出るまで繰返しました。二の斬りの太刀筋が少し高めにぶれておりました。います少しの精度を求めました。八勢は疾雷刀の体捌き体の運びを今一度正しました。跳んでしまっては剣に成りません。そして嶺谷の打ちを繰返し行って貰いました。これも如何しても小さく低くなってしまっておりますのでしっかりと今一度正しました。目付けも無論です。拳を見て如何しますか。その後中段,九箇,下からと遣い合いました。七本目の体捌きは確り自覚した筈ですのに又しても足だけを延ばしておりました。気が付いた事を指摘されている事を実践する事の難しさは無論有りますがそろそろ気力を持って克服せねば駄目です。何時までも同じ過ちを繰り返している様では次に進めません。下からの合撃,二の斬りは良いものも有りました。村雲の一つの太刀の合撃は数回久しぶりに繰り返しましたがその甲斐があり良い時の手応えに戻りました。


その後時間の許す限り抜刀を抜き合いました。今回は特に抜き付け,抜き打ち,斬りを重点的に行いました。抜き打ちは片手太刀となりますので繰り返すと疲れの為,手の内が硬くなりがちですのでその点に留意させ行わせました。斬りはやはり少しでも力みが入ったり雑念が混じると人中路を外れますのでその一点に集中させました。手に美しさが出てくるまでにはまだまだ時間を要しますが弛まず求めて行けば必ず身に付きます。諦めず慢心せず何処までも求めて行って貰います。


冷房の助けも借りながら猛暑の中の5時間の稽古を遣り通しました。返って永原君に取りましては見学の時間に折角の汗が冷えてしまうことに困惑した事かもしれません。次回から平生通り五月の道場にての稽古となります。今しばらく残暑が続く予報ですが九月らしい稽古会にしたいと思っております。兎に角自分自身に負けない気力を持って稽古に参加下さい。