広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

11月博多定例稽古会

11月博多の定例稽古会を行いました。この日は小春日和と言って良い穏やかな天気で有りましたが,季節外れの黄砂には少々閉口しました。洗車して広島を出立しましたが,博多に到着する頃には細かな砂の粒子に全体がスッポリ覆われておりました。市原さんは確り母君とのお別れを済まされての稽古参加で有りました。この日の天候では窓を閉め切っての稽古は少々辛いものが有りますので下窓を開け放し風を迎え入れながらの稽古会で有りました。


前回の広島への出稽古が無くなりましたので市原さんにはその分確り基本稽古を行って貰いました。皆と同様に摺り足で行う体捌きが如何しても真っ直ぐにいきません。前足の運びに気は入っているのですが,如何しても斜め前に運んでしまいます。其処から真っ直ぐに元立に対して打とうとするものですから斜打ちに成ってしまいます。この点は今後しっかり正して参ります。順逆では特に逆打ちの際の左肘が縮こまってしまうところが課題であります。体が正しく遣えておりません。常に体全体での剣捌きを求めていって貰います。


兵法は勿論三学(とりあげ)を集中的に行いました。手順の習得に苦労しておりましたが何とか覚えた様で有ります。これから少しずつ精度を高めて参ります。まずは合撃の際の拳の下がるところを正しました。之は十禁習の中でも指摘されておりますが,剣舞にならぬ様に特に留意して貰います。二の斬りの体捌き(順)は良くなって参りました。此処の点は体の遣い方のコツを掴みつつ有る様です。その後八勢の三本目までを伝授しました。兎に角手順を先ずは覚えて貰い,このニ勢法で基本稽古と共に行いながら,基本刀法をしっかり身に付けて貰います。先輩の遣い様を見てもらいながら何度も遣ってもらいました。


最後に抜刀を行いました。抜き付け納刀を手本を示しながら何度も行って貰いました。時として安易な納刀を行っておりました。これは絶対に駄目です。何かを身に付けようとする時に誰にでも直ぐ出来る事に逃げていて如何しますか!母刀となる順抜を行って貰い,体の遣い方を理解して貰いました。今後毎日少しでも刀に慣れ親しんでいって貰いたいと思います。


四時間の博多での稽古を無事終了しました。剣の修行は兎に角回数多く,例え一回の時間が僅かでも多くの回数を行わねば身に付く事は難しいと考えます。平素の一人稽古を確実に行っていって欲しいと願っております。久しぶりに吉崎の鰻に舌鼓を打って博多を後にしました。