広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

二月最終土日稽古会

二月の最終土曜日の稽古会を行いました。三週間に及ぶ畳の上での稽古も本日が最後となります。足元の感触の違いにも慣れてきた昨今では有りますが,やはり板の間での稽古を心身ともに欲してきた事は否めません。畳での稽古の締めを行う事としました。


今回は久しぶりの二人稽古となりましたので,締めの日に相応しくこの様な日にしか出来ない稽古内容としました。平素不足している訳では有りませんが,今最も彼に必要とされている稽古を行うこととしました。それは基本の打込み稽古であります。元立に対して或いは一人遣いでと先ずは休む事無く納得行くまで遣わせました。一人遣いで有る程度納得出来るようになると元立に向かい遣わせ,元立に打込ませますと忽ち顔を覗かせる不出来を感じさせ,また一人遣いにかえらせる。これを兎も角徹底的に行わせました。特に元立に対しての下がりは一人遣いのそれとは全く様相が違って参ります。大よそ竹刀を振っているとは言いがたい状態に成ってしまいます。ただ当ててくれるであろうと目標もなく竹刀を振り回しているだけで全くの無駄な所作を繰り返しているだけの状態に成り下がります。その都度厳しく叱責し喚起を促し強くその至らなさを自覚させました。惰性に流されるその悪癖を取り去るように意味の無い所作事は断じて許さないと言う態度で臨みました。ある程度良しと言う感触が出たところで基本打込みを終了しました。ここまでに概ね一時間余りを要しておりました。この三年で何とか一人で遣う剣舞の域には近づいてはおりますが,所詮剣舞剣舞であります。人を相手に出来るように成るにはまだまだ今までの倍以上の時間を要しますでしょう。真の形稽古が出来るように成るまでにはやはり10年は懸かる様であります。しかし其処からが本当の稽古でありますので立ち止まっている暇は有りません。愚は愚に徹し,拙守求真の道を弛まず邁進して欲しいものであります。