広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

ゴールデンウィーク特別稽古会

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今年のゴールデンウィークは前半、大阪から野原君が後半最後の土日は博多から市原さんが出稽古に来たいとの希望が有りましたので10連休(公務員以外はほぼ)の内4日を稽古会とする事としました。ただし29日の連休の初日当日に大阪から車で来る野原君の到着は少々その渋滞が心配でありましたが・・・・案の定12時開始の稽古予定でしたが3時到着となりました。充分に予想された事でありましたので彼が到着するまでに他の者の稽古をほぼ終えるつもりで初日稽古を始めました。夏日とまではいかないこの日の気候で有りましたが流石に基本稽古を始めますと皆みるみる爽やかな汗を滲ませておりました。一年の内のほんの僅かな期間のみに許される爽やかな時期の始まりでも有りました。


基本稽古における正面打ちの左右は各人それなりに鋭く或いはある程度の正しい身体の遣い方に成りつつ有りますが、やはり身体の出の精度が少々物足りません。如何しても出足側に体がぶれてしまいます。其れに連れて左拳の納まりが僅かにぶれてしまうのも共通で有ります。この点を正せねば所詮良い合撃とは成りえません。皆理合は理解しておりますので実践出来る様に常に挑んで行ってもらうしかありません。負けずに自身に勝って欲しいと願っております。順逆も出足側にブレしかも少しずつ体が回転気味に成ります。これは人中路を軸にしての回転とは事を異にしております。常に意識し自得の道を歩んで欲しいところで有ります。そして下がりはやはり前に出るより多くの課題を皆抱えております。だいたいが打ちではなく押しに成ってしまっている者まであります。地元で数多く稽古できる身としては少々情けなく有ります。正しく打つと意識できておればこの様な無様な事には成らないはずですが、何を考えて稽古に臨んでいるのか少々疑問でもあります。苦しみ汗を流す事だけで満足してしまって本質を見失っているようです。今一度稽古とはなんぞやと自身に問いかけて欲しいものであります。


その後兵法に移り、三学、八勢、下から、九箇と遣い合いました。喜多さんの合撃はほぼ迷いを脱しつつ有ります。しかし何かの拍子に左拳が右に逃げる時が有ります。左の納まりを頑張る気迫を常に持って欲しいものです。ここがブレねば打ち負ける事は有りません。ひるんだり逃げては駄目です。二の斬りも良い働きになってきておりますが時として鋭く打とうとしすぎて返ってブレが出るときが有ります。大調子で遣いきると言う意識が大切です。宮島の演武に向かい其処の処の今一段の進歩決定を望みます。そうこうしているうちに大阪から野原君は大渋滞の中到着しました。


そこからは野原君との特訓稽古となりました。まずは打込みを力の続く限り行って貰いました。久しぶりに他の会員の前での打ち込みに少々緊張したのか、又しても手が先に来る、もたれ掛かるような事をしておりましたので、厳しく叱責を交えての稽古と成りました。これが出だすと打った後に伸び上がるような動作が出るのが常ですが又してもそれが現れ、久し振りの怒声が道場に響きわたる事となりました。そのノリでほぼ一時間半、兵法の中段を交え遣い合いました。少し激しく遣い合いましたので新調して手渡した竹刀の竹が一回の稽古で交換を必要とする状態となりました。所詮竹刀は消耗品とは言え、やはり力みが入いていたのは否めません。激しく遣ってももう少し竹の割れないような柔らかさが求められます。最近上達してきた抜刀の遣いっぷりを思い出して欲しいものです。


遺り30分は兵法のノリのままに皆で心行くまで抜刀を抜き合い初日の稽古を終了致しました。