広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

六月大竹稽古会

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六月第四土曜日の稽古会を大竹で行いました。この週は五月の道場が使用出来ませんので、大竹中学校の剣道場での稽古会となりました。この日は午前中から気温は30度を遥かにこえており、梅雨のさなかでも有りますので湿度も大変高く、稽古を行うには大変な一日でありました。幸いに今回の道場は窓が大変広く、南側の窓を全開に致しました。海の方から入いてくる風に少しは助けられましたが、涼風とは言い難く又海沿いの工場群からの何とも言い難い臭いには慣れるまでに少しの時間を要しました。それでも蒸し暑さに立ち向かい皆夫々に奮闘しておりました。


まずは基本稽古で一汗も二汗も流す事としました。基本と言っても初学の時にしか行わなくとも良いと言う程度の物ではなく、生涯にわたって続ける基本稽古であります。剣の修行は体捌きを伴って剣を振ってゆくことでしか判らぬことが多々有ります。それも師弟同行でおこなわねば成りません。共に心身に汗をかき合わねば真の修行とは成りえません。蒸し暑さに立ち向かうが如く気を出し遣い合いました。或者は重めの竹刀に最後は腕が縮こまり気味に成りながら又或者は真っ直ぐに振っているつもりでも斜打ちを繰り返し、其々の課題を抱えながらも各人に応じた打込みを繰り返しておりました。僅かずつ薄紙を積み重ねる様な修行が続いて参ります。


兵法にはいりまして三学、八勢を遣い合いました。先輩二人の後に永原君にも勿論確りと遣って貰いました。趣の違う二人の遣いっぷりを参考にしてもらいながらの稽古でありますので彼なりに思うところを持っての取り組みであろうと思います。今は理合をしっかり理解し、剣を振れる心技体を作り上げて行って欲しいと願っております。先輩二人の合撃は時として左手が逃げて仕舞う者、如何しても斜に捻りこんで仕舞う者とありはしますが未熟者は未熟者成りに少しずつ良き手応えを掴んできております。しかし僅かな良き手応えにハシャイで軽薄な言葉を発する戯け者の性根は中々に正せそうには有りません。軽佻浮薄の性根を正すのは至難の業とは理解しておりますがある意味筋金が入っております。その後下から九箇を遣い合いました。二の斬りは可也良くは成って参りました。しかし三本を纏める事に少しの悩みを持っているようで有りますが之も打ちながら解決して行くしか有りません。


途中に汗の引きを待って抜刀を行いました。この時期は汗の量が半端では有りませんので刀を痛めぬように何かと気配りが必要で有ります。それでも立合の表と裏を数本時間の許す限り抜き合いました。途中、汗っ掻きの永原君が何度も懐の手拭いに手を伸ばし拭っていたのが印象的でありました。盛秀が真の愛刀と成る日も近い事でありましょう。