広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

博多定例稽古会

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博多での六月定例稽古会を行いました。梅雨のさなかの稽古会でありますので、ある程度は覚悟しておりましたが酷い雨の中の稽古会と成りました。道中も含め、一日中雨が止むことは有りませんでした。今回は平生の出席者が一名参加しておりませんでしたので急遽、宮島の演武で思わぬ御縁が出来ました宮崎からの参加者をお迎えしての稽古会と致しました。この様な形で他流の方に直伝稽古をすることになるなど思いもしなかった事でありますが、之も又宮島の神様のお導きと捉えてお伝えする事としました。


宮島の演武は今回二部で行いました。その一部が終わったところで何故か打太刀ではなく使太刀に声を懸けてきた御仁が今回の参加者であります。どうも打太刀が声を掛けにくいオーラを発していた様でやむ無き仕儀であった様で有ります。しかしそこからのこの御仁の行動は小生も唖然とするような物でありました。弟子を介して瞬時に見事に小生の懐に飛び込んで参りました。如何しても新陰流の中で知りたい事がありますようでしきりに問いを発して参りました。二部の演武を控えていることも有りましたが、小生よりも遥かに年配のそれも宮崎に帰るれば弟子も多数かかえる範士宗家を名乗る初老の武道家の屈託の無い情熱に無条件に答えるべきであると瞬時に判断致しました。


その様な経緯を経ての今回の稽古会と成りました。先ずは当会の平生の稽古通りに基本打込みを充分に行い、三学、九箇(とりあげ)、下から、試合勢法を遣い合いました。その中で新陰流の根幹になる考え及び遣い方の説明を行いました。他流の範士宗家を名乗る方ですのでその学び方に少々危惧を抱いておりましたが、思いのほか予断を交えずに学ぶ態度は好感が持てました。しかしお持ちになった獲物から推し量れるように平素から少し腕力に頼る処が見受けられました。其処の処を、特に縮み気味に遣う習癖を指摘し正すように何度も遣って貰いました。少々力みが有りますので本日の湿気充満の道場では尚更に忽ちに汗まみれになって取り組まれておりました。実質三時間余りの稽古時間でありましたが参加者全員が寸暇を惜しんでの稽古会と成りました。


稽古後、博多駅まで小生の車で移動し、昼食を共にしながら武道談義に花を咲かせて楽しい時間を過ごしました。共に帰りの時間がありますので許される限りの時間を惜しみながら次回の再会を約束して博多を後にしました。