広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

平成24年宮島厳島神社演武

イメージ 1

宮島厳島神社演武大会に参加致しました。国宝祓い殿での演武は何時も気が引き締まり厳かな気持ちに成ります。そして一年の修行の計を神様に観ていただき新たなる修行の指針をお言葉として頂く、当会に取りましては最も大切にしてる年間行事であります。広島の地に小生がいる御縁で平成8年に亡き師からの御命令により参加する事と成りました。その後師亡き後、数回参加しない時が有りましたが何かに導かれるようにこの時期に参加することに成りました。今回はひと月余り前に京都武徳殿に参加したばかりですので演武に対する意気込みを少し心配しましたがそれは杞憂に終わりました。皆やはり宮島へは人一倍の意気込みを持って一年を過ごしていると今更ながらに感じました。皆気一杯の遣いっぷりでありました。


初参加の京都武徳殿での不充分さを今回何とかしたいとの思いも有ったかもしれませんが、やはり神様の前での演武は何度出ても格別な物があります。気の張りが単なる道場とはおのずと違う物があると感じました。京都では演武の途中で目線を外し厳しく叱責された者も今回の本番では確りと最後まで外さずにおりました。ですから気の張りも今までで一番のものでした。これにはオチが有りまして本番前の広場での稽古で二人とも又しても目線を外してこっ酷く叱られ、有る者は手裏剣打ちを喰らう羽目になりました。神聖な境内で思わぬことをしてしまいましたが之も又場を借りて弟子達に性根を入れるためには致し方無かった事であると思います。隣で稽古していた他流の方々を凍りつかせる結果となりました。その甲斐がありまして本番では上記の様になりました。


一人目の三学の合撃次の者の中段七本目の打ち留めと大変良い手応えで有りまして。無論課題は多々有りはしますがそれぞれが確りと神様からの今後の精進の為のお言葉を頂いたようですので良しと致しましょう。


今回は演武者や伴の者に少しお手伝いの負担を掛けることとなりましたが皆で何とか乗り切る事が出来ました。伴の者にも何彼となく世話をやくように申し付けておりましたが各人夫々に昨年よりは良く動いておりました。何をして良いか分からぬと放心した様に祓い殿の前に立ち尽くす者も有りましたが之も又老いによる気働きと気力の衰えを師弟共々立ち向かい克服せよとの神様の言葉と受け止めております。


今回は内外の良き御縁がありました。之も又演武に真剣に取り組む神様からのご褒美かもしれません。最近弟子とも枇杷の木刀を求めに都城に出向かねばと話しておりました。その宮崎の方とのご縁は何やら予感めいた物を感じてその方の申し出を受ける事としました。


演武後は恒例の穴子を食しながらの反省会を行いました。はじめて他流の者を一人同席させましたが彼は去年の南区の演武会でその人柄が気に入り今回の下働きの労をねぎらう意味もあり誘いました。他流の者が同席していようが叱責の矛先が鈍ることはありませんので彼も穴子を食しながらも目を白黒させておりました。少し喉の通りも芳しく無かったかも知れません。最後に彼の人柄を認めるが故に今回の彼の服装(ポロシャツ、綿パン)を少し注意致しました。威儀をたださずして武道は有り得ません。これは彼のみならず今回の参加者でも高段位を名乗る者の中にもジャンパーやジーンズで出向いた者が見受けられたのは残念な事でありました。他流を語らずと当流では伝えられおりますが看過出来ぬことであります。


兎も角にもお多くの、神様からのお言葉、啓示を頂いた一日でありました。また一年先を目指して師弟同行で精進してまいります。