広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

八月最後の稽古会

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本日で八月も最後の稽古となりました。平日でありますので勿論夜の稽古でありますが、これまでとは確かに違ってきた夜気でありました。涼しい夜気が裏山から流れ込んで参りました。今回は月末と言う事もあり、久々に一人稽古になり又それを楽しむつもりで有りましたが、最近夜の一人稽古を日課にしている者が仕事を終えて駆けつけて来る旨の連絡がありました。随分と遅い到着で結果的に小生の一人稽古も思う存分に行えました。真剣での一人遣い及び抜刀を終えて、稽古の汗を拭っている時に、高速を遣ってお土産を持参して駆けつけてまいりました。折角ですので思わぬお茶の時間で一息つくことと致しました。


その後、何時ものごとく暫く一人遣いを木剣で行なってもらいまいました。連日の夜の一人稽古の成果か将又五年目に及ぶ積み上げの成果か鏡の前での一人遣いに何やら予感めいた物を感じました。時間の関係もあり今回の兵法は三学1本と致しました。真剣勝負の気持ちでの1本勝負と致しました。この者は例え三十分の稽古時間しかなくとも駆けつけて来る者ですからそれで良いのです。亡き剣友村山さんを思い出します。彼もまた病になってからは地稽古が出来ない状態でも剣道形10本だけの為に道場に出向いて来ておりました。ゆっくり遣っても僅か7~8分の時間で有ります。その為だけに・・・・しかし双方に取りまして何とも大切なかけがえのない時間でありました。


今回の三学ではやはり思わぬ1本が出ました。それは二本目(斬釘截鉄)の小手斬りに現れました。今まではややもすると打とうとして留め、打とうとするあまりに後れ、拍子を掴み兼ねており又斬りの質が不充分でありました。それが今回は一人遣いの時の予感そのまま侭に付ける拍子の実践が完結し柔らかくしかし確実に小手を捉え納まっておりました。打太刀としても打たれた感触が初めての感覚であり何とも心地よい物でありました。久々に地稽古を通しても打たれて心地よい打ちでありました。


稽古後に共に今回の成果を喜びました。久々に剣の神様が降りてきた一瞬でありました。師弟共々に至福の瞬間を共有できた稽古でありました。本日から明日明後日と土日と連続稽古会が続きます。いよいよ九月となります。実りの秋を一日早く感じた本日で有りました。