広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

一月第三週稽古会

イメージ 1 新年第三週の稽古会を行いました。年末から少し稽古休みが続いた影響で有りましょうか、皆少し風邪気味であると思っておりましたが、今回は遂に欠席者が出ました。それも事もあろうに肺炎の疑いが有ると言う事が判明しました。年末から正月休みにかけての少々気の緩んだ生活がたたったのかもしれません。確り療養して貰う事として、その他の者で稽古会を行いました。今回も先輩はサービス残業をこなしての参加と言う事で少々遅れての参加で有りましたので、その間を遣いまして永原君への訓示をおこないました。彼も本日から四年目の修行に入ります。この三年でそれとなく道場内外での躾をしてまいりましたが、四年目に入るに当たり、膝を交えて初めて言葉で伝える事としました。言葉で伝えても確りと心身に染込む準備はこの三年間で出来ていると感じておりました。ですので今回の事は砂が水を吸い込むように吸収してくれたと感じております。それは稽古後の食事をしながらの歓談の場にても現れておりました。先輩もそれまでと全く違う彼の所作に感心しきりで有りました。あらためて新鮮な気分で基本稽古の打込みを行いながら、後発の到着を待ちました。流し返しの順逆で足が真っ直ぐに出ず、体が真っ直ぐに運べないのは変わりませんが、それは確りと自覚出来ておりますので口説くは述べずに備わるのを待つこととしました。

可也疲れ気味で第二陣が駆けつけて参りました処で皆で礼法を行い、兵法に入りました。今回は見取り稽古を勧めましたが、如何してもと所望しますので平服のまま三学と燕飛を遣い合いました。半開半向の二の斬りと長短一味の合撃は又しても思わずニヤリとするような良い遣い方が出ておりました。永原君も前回は見逃した処を確りと今回は見取ったのでは無いでしょうか。疲れ気味の状態に負けそうで有った心に火が入った様で久し振りの下からを求めて参りました。少し昨年から迷いに入っておりましたが、今回の先の気が良い遣い方を導き出しておりました。少し霧の晴れた先輩でありました。後輩の二の斬りも体の捌き其のものは良くなって来ております。後は若者らしい溌溂とした打ちが出るようになれば演武に出しても恥ずかしく無いと感じました。

残りの僅かな時間を遣いまして皆で抜刀を抜き合いました。平服の者は鏡を相手に一人真剣を振っておりました。それも又尊い姿でありました。直刀の抜打ちの捌きが大変良くなってきました。これは彼なりに竹刀遣いより一歩進んでおります。その調子で他も良き影響が出ることを期待しております。楽しい歓談を終えて散開としました。生まれ変わった様な彼が新鮮で有りました。