広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

新年二度目の稽古会

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新年二度目の稽古会を行いました。先週は宮島厳島神社への参拝と稽古始めと大忙しでしたが、今回はゆっくりと平素のペースで稽古を行なうことが出来ました。本日は団地ではトンドが行われましたので、稽古前に注連飾りを持参し、火の中に投げ込んで参りました。燃え盛る火炎に今一度の皆の壮健を念じ道場におもむきました。開始時間より少し早い到着で有りましたので、一人稽古支度を整えて待っておりますと岩国から一人、相変わらずの薄着で出向いて参りました。礼法は全員で行いたので暫しの一人遣いの後に基本稽古に移りました。いまだ順逆の体の運びが真っ直ぐに行えませんので少しその点を重点的に行わせました。踏込む足に今少しの気を込めることを求め、体が暴れる事の無い様に求めました。根幹に関わることですので時間を懸け熟成させてゆくしか有りません。


その後第二陣の到着を待つつもりでありましたが、少し遅くなるとの連絡が入りましたので兵法に移る事としました。先週出来なかった勢法も一通り行なうことが出来ました。三学から始まり九箇、中段、八勢と彼に伝授しております勢法は一通り遣い合う事が出来ました。打太刀に向かうと如何しても身体が捻じれて仕舞う二の斬りに僅かな手直しを施しました。何度も遣わせている内に今回こそ何らかのコツを掴んだ雰囲気が出てまいりました。一通り遣いあって一服いれて居る時に、好美君が先週のお祓いの際に持参し、魂をいれて頂き守刀として彼女に託した脇差を大事そうに抱いて駆けつけて参りました。


前回は摺足による大調子、大拍子の遣い始めで有りました。傷の回復状況は如何かと思っておりますと、直ぐ様剣道着袴に着替え、通常の稽古を所望しますので礼法を皆で行い、基本稽古を受ける事としました。打込みの正面への一本は小生を驚かせました。傷の事など眼中にないとばかりに踏み込みで、それも驚くほど鋭い打ちでありました。その鋭さは物理的ばかりでなく、今後の戦いにある種の決定(けつじょう)をした事による澄んだ精神から発せられたものであると感じました。その現象は三学にも現れておりました。特に一本目の二の斬りの働きには心を奪われ何やら目頭が熱くなるのを感じました。彼女の三学は今一つの頂に登ったと感じました。それを伝えると彼女の目にも・・・・・。見取り稽古をしていた若者は何と感じた事でありましょうか。何も感じなかっとすればそれは見取り稽古とは言えません。単に座って休んでいただけです。


伝授の最中の燕飛の遣い始めを行いました。三学ほどまだ心身に染み込んではおりませんが、之も又遣うたびに良き手応え、気づきを感じておるようで有りました。そろそろ竹刀ではなく木刀を遣う時が近づいているようで嬉しい限りであります。


これから始まる病との戦いは容易い物では決して有りませんが、本日の彼女の剣を見る限り、負ける事無く凛々しく戦いそして必ずや勝ちを納めてくれると信じて止みません。そして又一段の上達の域を見せてくれると信じております。