広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

一月最後の土日稽古会

イメージ 1

一月最後の日曜稽古会を行いました。数日前から続く列島を覆う寒波の影響は広島の地にも及んでおり、道場の冷え込みは格別の感がありました。しかし寒稽古はこうでなくてはいけません。冷気は霊気に通じます。心身共に自然と引き締まるこの感覚は剣の修行に取りましては大変に大切な物であるとあらためて感じております。一週間余り、マルコプラズマ肺炎で外出禁止であった者も元気に出向いて参りました。前回から始まりました学校での柔道授業の関係で、おおよそ一ヶ月敷っぱなしとなりました道場一杯の畳の上で先ずは基本の打込みから始めました。


摺足ならいざ知らず、踏込みでも踏み込んでも平生の床の音がするわけもなく、皆最初は少々調子が出ずにくろうしておりました。しかし程なく各人各様に自身の打ち及び元立に打ち留められるその感触に没入して参りました。彼我一体となって無心に行う、何時も打込みの状態に成りますのに大した時間は掛かりませんでした。若い者達はこの寒さの中で確りと汗をかいておりました。額に浮かぶその水の光は尊い輝きを放っておりました。上体の動きに吊られて仕舞い、腰から下が振られてしまう処は中々解消できませんが、数限りない打ち込みによって自然と呼吸を掴んでくると思います。師弟同行は何処までも続いて参ります。目指す処は次々と現れて参ります。只求めて共に歩んで行くばかりです。急いで走っては所詮息切れを起こします。


会社の資格試験の日が迫っております永原君には本伝の太刀のみを今回は遣って貰いました。此処暫く求めております余韻を伴った二の斬りに今少しの工夫を求めました。梵鐘を打った時の余韻を伴った音・・・・・触る様な打ちでは余韻を伴った良い音は出ません。やはりある程度冴え、強さが必要で有ります。若者は若者らしく溌剌とした物が欲しいと伝える昨今であります。


少々いまだ怠そうな肺炎からの復帰者は久々に身体を動かすことを楽しんでおりました。今回の稽古で身体の中に僅かに残っていた病の因子もスッカリと追い出したのではないでしょうか。三学、八勢と遣いあった処で身体の調子も出て参りましたので中段の伝授を行う事としました。先ずは手順を確りと覚えて貰います。六本目までの伝授を行いました。14本と少し長い勢法でありますので1本1本をブツ斬りでなく、その流れを掴む事を求めました。特に此の勢法の特徴で有ります拍子の変化の説明を少し加えました。困惑の感を僅かに示しておりましたので考えすぎを戒めておきました。


入院まで一週間と成りました好美君はサービス残業後の疲労感が増したようで本日は欠席と成りました。いよいよ病との戦いが始まりますので体調を調え、臨んで貰わねば成りません。休む時には休む決断も大切です。稽古をしたいばかりの者が休む決心をすることは並大抵の事では有りません。皆にも入院の事を本日伝えましたので皆の思いを胸に戦いに臨んで欲しいと願っております。