広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

11月最初の日曜稽古会

11月の稽古が始まりました。紅葉真っ盛りであり、実りの秋も今しばらくで終を迎え、冬の到来を予感させる季節と成ってまいりました。各人各様に一年の稽古の実りの時期を静かに迎えております。その様な時期は余人を交えずに、それぞれの直伝稽古の時間が用意される物である様であります。本日は永原君とのそれと成りました。

早いもので彼との稽古もまる四年と成らんとしております。山陰の出雲育ちの正しく鈍牛の如き歩みを見せる彼も、しかし確実に重厚に真の上達への歩みを見せております。道場に来れば一人黙々とユッタリと木刀を振込み、自身との会話をしながら、伝授された物の昇華を目指しております。一人遣いのあとは只一途に元立に向かい、必死に打込みを繰り返す毎回の稽古であります。相懸けからの体捌きにいまだ四苦八苦の状態でありますが、本当を求めての修行を繰り返しております。自身のペースで鮎が清流を登る様な体捌きを何れの日にか身に付ける日が来るのは確実な事と信じております。

兵法においては宮島演武を経て、コツを掴んだのが、二の斬りであります。他のもにない力強い打ちを体現しつつあります。これが今年の彼の最大の成果で有りましょう。自身もそれを自覚しているようで更なる高みを目指している気配を感じる昨今であります。それに伴い、暴れ気味の竹刀の精度も格段に良くなって参りました。

抜刀におきましても、いまだ刀の重さを持て余す処が無きにしもあらずですが、時として素晴らしい走りを見せる場面が出てまいりました。竹刀での打込み、兵法の成果で有りましょう。今後も抜刀を兵法として双方を一つとして修行を重ねて行ってほしいものであります。

本日から伝授を開始しました下からも高揚勢での修行の延長として別物にならないように取り組んで行って欲しいと願っております。最も大切なのは何と行っても高揚勢であります。