広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

師走の第二日曜日稽古会

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師走の日曜稽古会を行ないました。何かと気忙しい雰囲気が世間に満ちてきたこの時期でありますが、若者達が勇んで出向いて参りました。残念ながら廣川君は副作用の一つで有ります帯状疱疹の疑いがある痛みの為に本日の稽古は見合わせたいとの連絡が早くに入っておりました。正しく寒稽古らしく成って参りました冷気溢れる道場で先ずはそれぞれのペースで一人遣いに励む若者達でありました。ただ黙々と考える事は脇に置いておいて行を重ねる者、考え込む事が少し多めの者とそれぞれのアプローチで一人遣いに取り組んでおりました。邪魔にならぬ程度に一言ふた事アドバイスを送りながら、小生も木刀を振りながらひと時をおくりました。

基本稽古に入りましては、阿吽の呼吸で打込みを繰り返しました。求める物は其々に確りと掴んではいるのですが、其処はそれ、行う事の難しさであります。特に人に対して行う事の難しさであります。時に叱咤激励しながら繰り返すうちに、数を熟す内に良い物が数本でて参りました。確りと寒さを忘れる汗を流した若者達でありました。

折角温まった体を冷やさぬように熱いお茶を一服入れて兵法に移りました。こんな日は試合勢法が良いのかもしれませんが、やはり一年の締めを迎えている年末ですので、確りと本伝の太刀で練り合う事としました。凛とした気を練り合うのはやはり三学それも取り上げに限ります。小生のその思いに応えるように永原君の二の斬り、特に斬釘のそれに目を見張る様な一本が飛び出しました。思わずほくそえむ小生で有りました。正しく実りの一つであります。小林君の顔つきも負けじと良い顔に成って参りました。しかしまだまだその打ちには物足りません。もうそろそろ出ても良い物は感じるのですが・・・。そして本日の白眉となる合擊が十太刀で飛び出しました。永原君も生涯忘れる事がない一本で有りましょう。正しく今年の実りの最高の一本で有りましょう。今までとは別物の合擊でありました。

もうこれで本日の稽古は終了しても良いと感じている処に先輩が(痛みは和らいだ)からと何と道場に出向いて参りました。美味しい処は何としても後輩には渡さぬ先輩で有ります。見学だけと思いきやチャッカリと・・・いや確りと三学、下からを平服のまま打ち切って見せました。下からに入った後輩に触発もされたのでしょうし、道場に出向いた以上一本も打たずに帰れようかという気概で有りましょう。お見事でした。道場以外でも弱音を見せないで欲しいと願う小生でありました。点滴の辛さは重々承知はしているのですが・・・。

最後に抜刀を抜き合い本日の稽古を終了としました。久々に近所のイタリアンで歓談をしましたが、本当に闘病中かと思われるほどハシャぎ回っていた・・・でありました。めでたし、めでたし。