広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

11月最後の日曜稽古会

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早いもので11月の日曜稽古会も今回が最終日と成りました。7クールを終えた廣川君が退院六日目にして道場に出向いて参りました。今回は新たに始めた併用治療が副作用の軽減に確かに役に立っていると感じるものでありました。無論その先の効果を皆が期待しているのですが、先ずは幸先の良い兆候であると喜んでおります。彼女の復帰を待ちわびたように、このところ仕事に追われている永原君とこれも又忙しさに忙殺され気味で何とか月一ペースを死守している関戸君が揃って出向いて参りました。早い復帰に驚きながらも其々に挨拶を交わして何時ものペースで一人遣いに精を出しておりました。一人、皆の一人遣いを眺めながら座して久々の道場の空気を体一杯に満喫していたものの、それで納まる訳もなく・・・基本稽古ではやはり最初に懸かって参りました。見事に気一杯の三本で力尽きてしまいましたが、その気やよしであります。その後の基本稽古は男衆にまかせて、しばし大人しくしておりました。そろそろ実りを実感してもらわねば成らない男衆達は季節外れの汗を心地よさそうに流しておりました。

兵法に入ると我慢できずにむくむくと起き上がって来る先輩でありました。平服のまま遣う、三学もここしばらくの平常と成りつつあります。少し滑りやすいグレーの足元に難儀しながらも、心地よさそうに竹刀を振るっておりました。それに負けずと男衆も自身の三学を求めて遣っておりました。中々に揃わぬ二の斬り、僅かに暴れてしまう合擊と課題は尽きぬものでありますが、求めて遣い合う心地よさであります。単なる出来不出来では無い、5本なら5本を合気を求めて気一杯で遣い合う心地よさは他では味わえない物であります。最近始まりました永原君への下からの伝授に触発されたのでしょう。燕飛ではなく今回は下からに臨んできた先輩でありました。特に斬釘の斬りは後輩の良き手本になったのではないでしょうか。それを眺めながら道場の隅っこで取り揚げを伝授されつつ或者が、その真似事をやっておりましたが真の修行を理解していない戯けた行為であります。何かを勘違いしているとしか思えない。伝授されてない形は只黙って観ているだけです。物事には段階があります。伝授の序次であります。手順を追って伝授される勢法を真摯に求めて行くしか有りません。

最後に抜刀を抜き合い、本日の稽古を終了としました。残り少ない今年を心ゆくまで楽しみましょう。