礼法を終えて、基本稽古と成りましたが、其の硬さを取り去るために関戸君には皆よりはやや長めの打込み稽古と成りました。すっかりと涼しく成ってしまった道場ですが、みるみる内に剣道着の中は汗まみれと成っている様子で有りました。そんな事はお構いなしに、反対に調子の出て来る元立でありました。その調子に任せてもう一時間でも続けたい気分で有りましたが、打込む者がへたばって倒れて仕舞う前に終了としました。永原君は順逆において太刀筋が時として同じで無いのが課題でありましょう。疲れて来ると剣先がさがってきます。近々の課題で有りましょう。
少し早めに道場を後にする者も有りますので、兵法のすすめを早くいたしました。三学、九箇、小転そして下からと遣い合いました。三学で昨日ほどの手応えの出なかった廣川君も下からでは、長短一味を除いては良き雰囲気で遣っておりました。それを見取っていた後輩二人にとりましては良き刺激に成った事でありましょう。永原君も最初からとは行きませんでしたが、後に成ると良き二の斬りを打ちだしておりました。関戸君は打ちに今少しの冴えが出て来るともっと良い手応えを得る事が出来ると思いますが、今少しの辛抱を要します。これも又繰り返し稽古を積むしか方法は有りません。九箇の伝授が済み、之からが本当の稽古と成ります。次回までにますます一人稽古に励んでくれる事で有りましょう。小転は小太刀の遣い方に勢いの出てきた廣川君が心地よ下げに男集に見せつけておりました。少しコツを掴みつつ有る様であります。良き事であります。此処で廣川君は退出となりました。
最後に男集で抜刀を抜き合いました。今回は立合の中で三種の抜き打ちも行いました。間合いの違いによる三種の抜き打ちは平生の一人稽古でも良く遣っておくように厳命致しました。無論、全て踏み込みをもって行う事は新陰流では当然であります。