今年最後の座礼を一同、呼吸法にのっとり行い、打込み稽古を其々のペースで遣い合いました。正面打ちで器用に態勢を崩す小林君でありましたが、何故か順逆は元立の竹刀に吸いつく様な良き打ちを繰り出しておりました。彼も又、自然に良き体捌き、手の内を写し取りつつ有る様です。廣川君は黒足袋の滑りやすさに自然に体が反応して、足の備えが狭くなっておりました、その為に雷刀から踏み込み足がやや開き気味にでて、打ちそのものが斜になっておりましたので、正しました。元立が良き打ちが出た処で打込みを終えさせましたが、欲張りな姫は、以下少し続けたかった様で不満タラタラでありました。その瞬間、瞬間の出来に一喜一憂するなと常日頃申し付けておりますのに・・な性格は中々に治りません。ふぅ~。
大掃除と楽しい剣談の時間もありますので、兵法は本伝の太刀のみを気一杯で遣い合いました。ユガケを付ける時間を惜しんで、後輩に先を譲る先輩で有りありました。弟子二人を相手に今年最後の三学を呼吸法を共有しながら、惜しむように、慈しむように遣い合いました。二人共、良い処と遣い損ないの残念なと処が混在する出来で有りましたが、師の位である小生に取りましては、良き一点が嬉しく感じました。欲張りな弟子達の負けじ魂は、次に遣い合いました九箇の十太刀に結実致しました。(今年最後の稽古なのに、何も良い手応えを持てずに帰るのかしら)と言う姫の泣き言は、杞憂に終わりました。合擊、二の斬りと二人其々が師弟共に、してやったりと思わず相好を崩す働きが飛び出しました。最後の最後に剣の神様はご褒美を下さいました。その余韻のままに抜刀に移行して、皆で道場で行う、愛刀での振りを愛しむ様に楽しみました。
稽古後の大掃除を確りと弟子達のみに任せて、一人感慨に耽る小生で有りました。かいがいしく、道場を綺麗にする弟子達の動きは淀みなく、良く訓練されたダンサーさながらの働きを観せておりました。今年一年、大変お世話になりました中華の第一楼に場を移して、稽古後の今年最後の歓談を楽しみました。この一年を振り返りながら、(稽古不足の一年で有りましたが、そんな中でも最後に振った刀が思いのほか振れました)(来年は、たとえ一本しか振れなくとも必ず剣道着袴に着替えて、刀を振りたいと思います)との言を廣川君が発しておりました。嬉しい、嬉しい一年の計となる愛弟子の締めの言葉で有りました。
昨日の我に今日は勝つ!新年もまたこの意気で励みましょう!