広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

平成26年最後の全員参加稽古会・・・忘年会

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12月21日、今年最後の全員参加の稽古会でありました。大阪から野原君も朝早くに駆けつけて参りました。平素の稽古参加は平日が多い為に、なかなか一同と顔を合わせる機会が無く、この日は久しぶりの再会に花を咲かせておりました。月一参加の関戸君もこの日に合わせて出向いて参りました。平素は全員の遣いっぷりに接する機会は有りませんので、この日を確りと楽しんでおりました。何故にか一番の若造が、誰よりも遅れて駆けつけて参りました。その手には遅れた理由を誇示する様に全員分の歳暮を山の様に抱えておりました。その心遣いに感心し、感謝しながらも、遅れる理由には成らないなと・・・一人思う小生で有りました。しかしながら未熟な若者達が、少しずつ成長して行っている一コマを実感できた一年の計でも有りました。

其々に全員参加の中での一人遣いを楽しんだ後に、呼吸法に法り座礼を行い、全体稽古を始めました。先ずは皆の眼が注がれる中での基本稽古、・・・打込みであります。入門の順に従い野原君から懸かって参りました。正面打に関しては、入門当初からの瞬きの課題は克服してきている様でありました。しかし、順逆になると返しの拍子を瞬きで取って仕舞っておりました。何事も身につける事の難しさで有ります。相懸ける瞬間に拳が下がる悪癖も未だ道半ばでありましたが、熟成を心待ちにする小生で有りました。
姫は置いておいて、次に永原君であります。打ち出す瞬間の雷刀の乱れ、順の太刀筋の捲れ、・・・今年1年の課題に必死に取組んでおりました。体のこなしも稽古の量に連れて少しずつ身に付きつつ有ります。動きを止めて考える帰来のある小林君は、まだまだその長い手足を持て余し気味で有ります。レースの為にと取り組んでいる平素のトレーニングが、剣を自身の体の一部として遣う兵法においては少し邪魔をしている処が見受けられます。打ち込みの本数が多くなると手が腕が肩の筋肉が、硬直して来るのが竹刀を通して見て取れます。其の凝りを緩解させるべく少し多めに打込んで貰いました。そこの処は関戸君も同じであります。得物を遣い慣れていない処からくる手、肩を中心にした硬直の解消には数を懸けて貰うしか有りません。顔から血の気が失せるまで打込んで貰いました。平素は垂れている前髪が何故にかこの日は真ん中から二つに分けて有りました。そこから見える額が真っ白に成るまで打込みを繰り返して貰いました。

全員参加の今年最後の稽古でありますので、兵法は本伝の太刀のみを遣い合いました。自身が打太刀を相手に遣い、その後は座を正して一門の全員の遣いっぷりを観る。単なる手順ではなく、遣い合う一期一会の現在只今の煌きの瞬間、瞬間を魂を持って観て取り合いました。其々に刺激を受け合い、自身の連動にヒントを得た様で有りました。特に二の斬りは全員が良き刺激を受け合い、コツを掴みつつあると感じました。良き事であります。
平服で望んだ廣川君もこの日最速の連動を魅せておりました。長い黒足袋のせいで、左隅への移動がハツカネズミの足捌きになっておりましたが、初めて動画をとった時の記憶を思い出させ、懐かしくも有りました。これはあくまで黒足袋のせいで滑るからと言う事と理解しております。見え見えの文は来年への課題であります。確りと気迫を持って取組んでくれております。
五本、九本を一本として遣いきる気迫は野原君がやはり一日の長が有りました。三本目にやっと出た太刀連れの感触にニンマリとする永原君でありました。その長い手足が連動した初めての感触に相好を崩す小林君と皆其々に良き手応えを得た処で全員参加の稽古会を終了としました。

稽古後は県境を越えて、玖珂まで移動しまして、藤中君の経営する焼肉ダイニング(龍O)リュウーオーにて忘年会を行ないました。この一年に想いを巡らせながら、一級品の肉を思う存分楽しみました。途中、ビンゴも無事に行う事が出来、皆それぞれに記念の商品をゲット致しました。之も又廣川君の孤軍奮闘による用意の賜物で有りました。今年も又出現したサンタを皆静かに受け流して、暮れゆく夜長を時間の許すまで楽しみました。