広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

4月最後の日曜稽古会

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平成27年4月26日、4月の稽古もこの日が最終日で有ります。その様な稽古会に開幕戦(スーパーGT)以来と成ります小林君がやっと皆の前に顔を見せました。シーズンが始まりますと例年の事とは申せ、今シーズンは特に予定が立て込んでいる様で有ります。そして月一の関戸君も何とかこの日に出向いて来る事が出来ました。永原君は仕事で有りましたが、小林君の二位のお祝いをしたいと申しておりました廣川君は、時間の調整をしながら無事に出向いて参りました。
皆の時間に少しバラつきが有りましたので、先ずは関戸君から久々の打込み稽古を行いました。一本一本に平素の一人稽古の気を込めて打込んで参りました。子弟共々の合気での打込みは、心身ともに熱く成る良き稽古で有りました。時に元立の充分な状態に如何打込んで良いか困惑しながらも必死に打込んで参りました。時に剣先での攻めに体を揺らされながらも、吹き出る大量の汗に怯む事無く打込んで参りました。その時の共有された時間は二人に取りまして永遠の時間で有るとも感じたのではないでしょうか。途方もない長い時間の様でも有り、一瞬の煌めきの様でも有りました。正しく師弟二人の時間で有りました。
その頃にいまだ左肩に僅かな違和感を抱える小林君が竹刀だけを携えて出向いて参りました。そして廣川君も僅かにおくれて駆け付けて参りました。先ずはゲストパスのお礼を述べながら、二位と云う初めて立ち会えた表彰台の事を褒め揚げておりました。これまで三度の優勝が有りながらも、我々は中〃その姿に有り付いてはおりませんでしたから。
今回は関戸君から三学を遣う事に成りました。少しずつ熟成されてきている彼の遣い様に皆ウカウカしておれないと感じたようで有りました。伸びやかに成りつつあるその太刀筋には日頃の一人稽古の精進ぶりが見て取れました。しかし、人を相手にする難しさにも直面しております。それは中段に取るときに如実に現れております。少し窺う様な・・・少し目付が覗き込むような状態に成っておりました。目指すは王者の剣であります。決してコソ泥の様な位の低いもので有っては成りません。
今回の白眉は、肩の違和感を抱えながらも、三学一本をと渇望して出向いて参りました小林君の遣いっぷりでありました。今までの彼で有りましたら、平生のレースでもそうで有るかもしれませんが、序盤は様子を観ながら徐々に中盤から終盤に気を盛り上げてゆくと言う事が平生で有りました。しかしながら剣においてはそれでは駄目で有る。初太刀から気を燃やしてこなければいけない・・・と最近、常にその事を求めておりました。その実践が、この日突如として現れて来ました。正しく途中で一杯〃に成って倒れても良いとでも言う様な気迫で遣って参りました。やっと小生の求める事が理解でき、咀嚼出来た瞬間で有りました。遣い終えた彼は無論、見取り稽古の面々もふーっと一息つくほどの緊迫感で有りました。正しくその場の空気を共有できた実感が有りました。無論、立合の前から彼の決定の様子は見て取っておりましたので此方も何時も以上に気を燃やしたのは当然であります。
その様子に持ち前の負けん気を触発されたのが、廣川君で有りました。その気で立ち向かって参りました小転の一本目は、後で(理解不可能)との感想を漏らしておりました関戸君の言の如くに、今までで最高の踏込み、気を発しておりました。

最も若い、侍の雛に触発された良き稽古会でありました。そしてゴールデンウィークに開催されるスーパーGTへの良き送り出し稽古でも有りました。彼もこの日の一本の感触を持って悔い無きをしてくれると信じております。
稽古後のお祝い及び送り出しの歓談は、何時もの第一楼でありました。位に入る前から、初めて気一杯の状態になれた自身に少し酔っている小林君で有りました。