広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

平成27年夏季合宿

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平成27年8月11日~12日、恒例の夏季合宿を松江にて行いました。写真は堀川から眺める国宝に決定した松江城で有ります。この地は小生が剣の道に入りました処で有ります。いつの日にか弟子達を伴って合宿を行いたいと願っておりましたが、松江城が国宝に決定した事を受けて念願の合宿を敢行いたしました。小生が剣を始めたのが東京オリンピックの年でありました。その頃は旧武徳殿がお城の大手門を入った北側の奥に有り、そこで剣道の修業が始まりました。今はその旧武徳殿も取り壊されて、お城の傍の県庁の西側に新しい武徳殿が建設されております。今回の合宿は、そこが稽古場となりました。
平素の稽古場と比べて広すぎる道場は、弟子達には少し集中し難い処で有ったかもしれません。しかも半分が畳敷きで隣は中学校の柔道部らしき一団が、女先生らしき指導者から男言葉での指導を受けている最中で有りまして、集中するのに少し苦労しておりました。しかし合宿の目的は平素では味わえない場を経験する事も一つで有りますので構わずに稽古を行いました。打太刀の前に立てば、自然と皆其れなりに集中して来ておりました。
基本稽古を行い、兵法では燕飛の一人遣いを観て欲しいと所望する廣川君で有りました。だだっ広い場で遣う難しさに四苦八苦しながらも何度も遣っておりました。
やはり小生の記憶の中に有る旧武徳殿の床の感触とは雲泥の差が有りました。硬い感触と音にメゲズに打込んでくる弟子達にあの旧武徳殿の何とも言えない心地よい感触、腕が数段上がったかとも思える踏込んだ時の床の音・・・味合わせて遣れぬのが何とも残念で有りました。
各人其れなりに遣い終えた処で稽古を終了いたしました。流す汗でドロドロに成る稽古を懐かしむ者も有りましたが、それは平素の道場で又行う事にして、大人の合宿稽古を終了いたしました。
合宿の楽しみの今一つは、観光と旨いもの巡りであります。国宝に決定した松江城は本より川船での堀川巡り牡丹の由志園と時間否体力の許す限り、巡りました。暑さにめげそうに成りながらも、松江の旨い物は確りと堪能した一行で有りました。
数日前の炎天下のレースでクールスーツ無しで優勝を勝ち取った小林君は、疲労困憊での参加でありました。本来ならこの合宿も欠席の気配を醸し出しておりましたが、師匠に先を取られて、その様な申し出は言えない状態に追い込まれての参加で有りました。彼なりに稽古に観光に其れなりに臨んではおりましたが、平素より気配りの欠如している後輩に少々不満を抱いている先輩が一人・・・。それぞれの思いを抱えての合宿で有りました。
何事も続ける事に意義がります。行を積まねば何も生まれず、何も解決しません。悩み苦しみは立ち止まらずに自身の歩を自身のペースで進めながら、時に周りの力を借りながらも歩みを止める事なく行わねば成りません。今後も弛まずに続けるのみで有ります。