平成28年8月20日、お盆休みを終えて次のレースを控えた小林君が出向いて参りました。前回のスーパーGT第3戦富士で今季の初優勝を勝ち取り、意気揚々と乗り込んでくるかと思いきや、道場の玄関に立った様子は明らかに猛暑に負けた雰囲気を醸し出しておりました。(今日は本当に稽古が出来るのでしょうか)とでも言いたい気配で有りました。左程にこの日の道場内は(無論外も)酷暑と言って良い状態ではありました。しかし剣の世界では、暑い日に暑中稽古を、寒い日には寒稽古をするのが古来よりのしきたりで有ります。有無を言わせずに稽古に入りました。
着替える過程で最早汗だくだく状態に成るこの日でありましたが、稽古を始めてみれば流れ出る汗にも心地よさを感じさせる裏山を渡る風の気配を感じる事が出来る一日でもありました。
余りの小林君の汗の掻き方で有りましたので、稽古の手順を変えまして、抜刀から行う事としました。真剣を傷めぬようにとの気持ちからであります。その後に基本打込み、兵法と行ないました。打込みは尻込みするかと思いきや稽古を始めてみれば、遣らずぬに置かぬ気持ちが芽生えてきたようで有りました。自分から所望して参りました。自分に打ち勝った瞬間でも有りました。これがこの日の一番の収穫であったかもしれません。
レース前の直伝稽古が終了する頃、明日の稽古に専念する事に成っていた廣川君が、やはり今期の初優勝のお祝いの言葉を懸けたくて出向いて参りました。