広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

11月第三日曜日稽古会

平成28年11月20日、11月第四日曜日の稽古会を行いました。この時期に成りますと、嘗て11月第三日曜日に行われておりました宮島嚴島神社奉納古武道演武大会を想い出します。延春先生の命により平成8年から参加しておりました。この時期のその大会も無く成り、現在は6月に行っております。想えば、随分寒い時期に行っていたものです。食事の時間に朝座屋(控室)で暫しの暖を取って、後は寒風吹きすさぶ祓殿にて座して過ごした日々が懐かしく想われます。
この日の道場は、雨の気配を充分に予感させられる板の間の様子で有りました。湿った板の間を少しだけ乾燥させるために、この時期では珍しくクーラーの助けを暫し借りました。
前回の稽古が、地震の影響で参加できなかった関戸君が、直伝稽古に飢えた様子で出向いて参りました。その間も確りとした一人稽古の様子が窺える一人遣いを時間を惜しむ様にしておりました。
最後に、明らかに魂の抜けた様子を携えてスーパーGTの最終戦を終えた小林君が入口から姿をみせました。早速、一言静かに気合を入れておきました。終わりは始まりであります。しょげかえっている間などプロとしてあり得ない。次なるシーズンは最早始まっています。精進有るのみであります。確りと基本打込みにて気入れを行いました。身体全体から汗が噴き出して来た頃には、可也良い目付きに成って来ておりました。
世の中には、自分の力、努力では如何ともし難い不条理な事が起きる物です。それをこの最終戦にて味わえた事は、この若者に取りまして必ずこれからの人生においてプラスに働くと信じております。何にしても命を落としても仕方の無い戦いを五体無事にて終える事が出来て何よりでありました。
基本稽古の途中では、珍しく、(観見)について一言添えました。これも又、この機会しか無いとの感応に因る物でありました。その後の稽古感想のメールを観れば、阿吽の呼吸で有った様で幸甚で有りました。
合撃は、前回ほどの手応えは出なかった小林君でありますが、小癪にも(先生の姿が、小さく見えた時が有りました)と、ほざいておりました。何か目付に得た物が有るやもしれません。勢法を打つ途中でニヤツイた顔が、小憎らしく思い出されます。
下からの一拍子の合撃、そこからの攻め、二の斬りと新たなる遣いっぷりに奮闘する関戸君でありました。次回までに原っぱで奮闘する姿が思い浮かびます。
抜刀では、明らかに真剣に触れて無い時を露呈している小林君でありました。心配になって、稽古後刀を眺めて観ましたが、何事も無く、安堵しました。
当初、折敷の斬り下ろしに、違和感を見せていた関戸君でしたが、稽古終盤に成りますと馴染んで来ている様子を醸し出しておりました。
大竹での稽古もあと一か月であります。新年には五月の道場が使えるようになるはずですので、楽しみであります。