広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

12月第三日曜日稽古会


平成30年12月16日、12月第三日曜日稽古会を行いました。この日は、山口県大島大橋の貨物船衝突事故で全島断水の対応におわれ、二か月余り休日無しで激務に勤しんでおりました関戸君が、稽古に飢えて出向いて参りました。テレビニュースで彼の姿を久しぶりに確認した時に感じたように、少しやつれた様子は隠し様が有りませんでした。しかしながら仮復旧とは言え、全島への給水を普及できた達成感と暫しの安堵感は、感じる事が出来ました。

先月末までの予定で有りました畳の敷きぱなしも何故にかこの日も解消されてなく、僅かに残された板の間を遣っての一人遣いに先ずは勤しむ彼で有りました。
此の数か月は、一人稽古もままならなかった様子が見て取れる一人遣いで有りました。しかしながら、日常において降りかかる試練は、立ち向かい克服する事において、必ず剣の上達に結びつきます。今日只今の許された稽古の一時を夢中になって遣い切るばかりであります。
正面の廣川君にここ数か月の報告をする様に黙想、座礼を行いました。小生の横に座し、呼吸法に同調して来る関戸君の気配からは、静かな喜びを感じる小生でありました。
基本稽古の打込みにおいては、只静かに蟇肌竹刀に同化し対峙し、動きは極小とし、気を観て呼吸の変化にて彼の打ちを導きました。突如として景色の変る様子に驚きながらも打ちの正しさを求めて、ただ只管に正しさを求めて打込む関戸君でありました。
本伝の太刀においても、直伝稽古における感応に任せて即応の伝授を行いました。
無論、剣道形も伝授いたしました。この中に息づく新陰流の理も余す事無く、その身に沁み込ませて貰います。
彼との一年の計としての直伝稽古を心置きなく遣い切り、遣り終える事が出来ました。