広島柳生会

正傳新陰流 広島柳生会

剣道の修業の一環として新陰流・制剛流抜刀術を伝承する広島柳生会の日常の稽古風景や出来事を掲載する。

8月最後の日曜日稽古会

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8月30日

令和2年8月30日、8月最後の稽古会を行いました。この日は、2か月余り振りに海上勤務を終えた齋藤君が、出向いて参りました。前回の勤務明けでは明らかに太ってた彼でありますが、この度は少し痩せておりました。今回の勤務の激務所以でありましょうか。しかし、元気な様子で早速の久々の道場の床の感触を楽しんでおりました。

この日の道場内は、この夏一番の暑さではと思える様子でありました。床は、床暖房か・・・と思えるような熱をおびており、佇んでいるだけで汗が噴き出てきました。

そんな中、皆全体稽古が始まる一時を思いおもいに一人遣いに精を出しておりました。拭っても拭っても噴き出る汗に・・・名何故にか心地よさげでもありました。

坐礼時に小林君からの返礼の木刀(打込み用)を齋藤君に手渡しました。一回り太めの木刀を神妙に受け取っておりました。

全体稽古に入り、先ずは真新しい木刀での打込み稽古であります。大きく、正しく、しかし鋭く・・・どこまでも真の一本を求めて、何度も打込みを行いました。無論、息のきれるまで。振りかぶりの歪を正し、小さくならぬ様にしかも軽やかな体の運びを求めて・・・。

兵法では、齋藤君が、とうとう真の合撃の手応えを感じる事が出来たようでした。彼のハッとした表情が・・・師弟共々至福を感じた瞬間でありました。長き稽古修行の間に時として訪れる有難い瞬間の共有であります。

この様な瞬間に必ず思い出されるのが、廣川君の事であります。初めて知り得た、感じる事が出来た合撃のハラリと相手の太刀が落ち、自身の手の内に残る力みのない、しかし何とも言えない心地よい感触・・・思わず満面の笑みを湛えて小生に(良し)とばかりに親指を立ててみせた廣川君でありました。これからも師弟同行で何度も共有したものであります。

永原君も九箇の中で負けずに久々に良き働きを見せておりました。良き影響は連動するものであります。

その後は、真剣にて制剛流抜刀を行い、防具を着けての地稽古にと移行しました。地稽古になると体を斜めに進めながらの逃げ打ちを何故に行う…戯けた所業でありますが・・・これが地稽古の人を相手に一本取り合う難しさ、怖さであります。教えられた事が、真に身に付いてない…化けの皮が直ぐに剥がれてしまいます。形稽古と地稽古が別物に成るなど有り得ない・・・何処まで一つである様に厳命致しました。

体中の水分を流しつくしたかと思われる稽古でありましたが・・・稽古後の爽快感も又格別でありました。

日記